5月31日は世界禁煙デー
(2017/6/1)
昨日の話になってしまうが、5月31日は世界禁煙デーとのことであった。「とのことであった」というのは、実は私、国際的な禁煙デーというものを知らなかった。たまたま、エコノミストから毎日送られてくるEメール記事にこれが載っていたことで、初めて知った次第である。
この記事によれば、健康被害や死に至る寿命損失年数で図る計ると、タバコは24カ国で第1位、37カ国で第2位の要因であるという。北米、英仏、豪州がリスクファクターの第1位、ちなみに日本では第3位となっていた。
一方、朝日新聞の記事によれば、日本の受動喫煙対策は、世界保健機構(WHO)4段階評価では最下位とのことである。
確かに、日本も喫煙者の数は昔に比べれば格段に少なくなったが、それでも先進国の中ではタバコの規制が極めて緩い。日本はタバコが専売制度で守られ(専売公社は会社化されたが、実態は変わっていない)、国庫にとっても重要な財源であることから、厳しい規制が行われてこなかった。
そういえば、厚生労働省が受動喫煙対策を強化する法案を準備しているが、自民党の「タバコ議員連盟」の反対が強く、法案の国会提出も危なくなりそうとのことである。自民党のタバコ議員にとっては、票にならない人達の命より、支持者であるタバコ生産者、販売者、そして飲食店の利益の方が重要というわけである。いや、厳密には彼らを支持基盤とするタバコ議員にとっては、法案が通ることにでもなれば、次の選挙が危なくなるというわけである。
そういえば、戦時中、政府は軍の戦闘員や軍事工場の作業員に覚醒剤(ヒロポン)を与えて戦意の昂揚を図った事があった。覚醒剤がタバコに変わっただけで、己の損得と他人の命を天秤にかければ、己の損得の方が重いという価値観は変わっていない。
ついでにもう一つ。自民党厚生労働部会で受動喫煙対策の強化を求めた議員に対して、大西英男議員が「(癌患者は)働かなくてもいい」と発言したことがマスコミを賑わせてくれた。そういえばこの方、かつて、「巫女さんのくせに」という女性蔑視の発言をして、世間を騒がせてくれたことがありました。