小樽雪あかりの路 (2010/2/18)

 

先週は、札幌に行く機会を利用し、小樽まで足を伸ばしてみた。2月の第1週から第2週にかけての札幌は恒例の雪祭りで賑わう時期である。言うまでもなく、札幌雪祭りは北海道最大のお祭りであり、その準備にかかる人員、投じる金も大きく、まさに大イベントである。

 

丁度この時期、小樽でも「雪あかりの路」と名付けた催し物が開かれる。しかし、小樽と札幌では町の規模、財政能力も格段の違いがあり、札幌雪祭りとは違う特徴を出さねばならない。雪祭りとの大きな違いは、金をかけるのではなく、市民の手作りでこれが実施される点である。もし札幌雪祭りに出かける機会があれば、是非とも1日を雪の小樽の町の探索に充てることをお勧めする。

 

小樽には、札幌とは違う別の魅力がある。北海道の歴史をちょっと紐解いてみれば分かるように、かつて、小樽は北海道において金融と海上輸送でもっとも栄えた町であった。開拓の歴史のなかで、政府は札幌の都市作りを進め、全てを札幌に集中したことで、小樽の経済は衰退してしまった。そんな歴史があるだけに、小樽はなんとなく哀愁のある町でもある。

 

小樽の町で一番の見せ所と言えば運河であろう。夏場の運河の風景も美しいが、雪景色のなかの運河はまさに小樽ならでは風景である。この時期、丁度春節と重なり、中国からの観光客も大勢訪れていた。たまたま、寿司屋通りにある「政寿司」という老舗でかみさんと食事をしていたら、中国人のご夫婦と席が隣り合わせになった。北海道の温泉や湖を巡り、今夜は小樽に泊まるとのことであった。香港から遊びに来たというこの方たちは、日常生活では見ることのできない北海道の冬景色をしっかりと堪能してきたことであろう。

 

小樽の町は時間を考えずに、ゆっくり町中を歩き、食事も時間をかけて楽しむのがよい。寿司ネタは新鮮であるし、一番の老舗に入っても、東京のように馬鹿げた値段を吹っかけられることもない。少なくとも私が入った店は、落ち着いて食事ができる雰囲気が最高であった。

 

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l  運河を照らす浮き球のあかりと、ちらつく雪はまさに小樽の風景である。

l  道路脇に並ぶろうそくの灯火。全てが市民の手作りである。

 

 

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