『ウィリアム・アダムス————家康に愛された男・三浦按針』 フレデリック・クレインス 20212月 ちくま新書

 

 

江戸時代に三浦按針という外国人の通訳がいたことは、中学か高校の歴史の授業で習った記憶がある。船が難破して日本に流れ着き、幕府に登用されて通訳になったという程度の知識しか無かった。

 

この本では、日本にある記録だけでなく英国にある一次史料に基づいてアダムスの経歴をよく調べている。

 

16世紀のイギリスを取り巻く国際環境は厳しく、とりわけスペインとの覇権争いは熾烈であった。そんな時代に、アダムスは船大工として修行した後、紆余曲折を経てアジアとの交易を目指す船の乗組員として、大西洋そして太平洋を巡る困難な航海に乗り出した。彼の生い立ちはそんな話で始まる。

 

難破船として日本に流れ着き、家康の目にとまったことで幕臣となり、日本名、三浦按針となった。徳川幕府が鎖国に入るまでの30年ほどに亘る日本における彼の活動が細かく記述される。

 

当時の南蛮貿易における、オランダ、スペイン、そしてイギリスの間の貿易利権を巡る駆け引き、そこに係わってくるイエズス会の宣教師達の行動などは、少なくとも私が昔習った歴史の教科書の中では、ほとんど記されていない歴史である。

 

というわけで、江戸時代初めの南蛮貿易や、幕府と西洋列強との係わりに関心がある方にはお勧めの本である。

 

 

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