世界経済見通し20227月改訂 (2022/7/28)

 

 

一昨日、国際通貨基金(IMF1/)は、この4月に発表した世界経済見通し(WEO)の改訂を行った。僅か3ヵ月での改訂であるが、この間、様々な出来事が重なり、世界経済は大きく減速した。

 

言うまでもなく、これはロシアのウクライナ侵略による欧州への天然ガス供給の遮断と小麦輸出の停止、中国のゼロコロナ政策によるサプライチェーンの混乱と、立て続けに問題が起きたことにある。先進国、発展途上国を問わず、各国は急速なインフレに見舞われた。とりわけエネルギーと食料の値上がりが著しい。

 

欧米のインフレは深刻で、米国の6月のインフレは対前年同期比で9.1%、英国のインフレも5月が同9.1%と、両国共に40年来の高い物価上昇となった。日本も物価の上昇が問題となっているが、この5月の年率2.5%という数字は欧米に比べればまだ低い。

 

米国は、連邦制度理事会(FRB2/)が金利を上げることでインフレ抑制策を進める。一方、急速にインフレが進んだことで、消費者心理は落ち込み、来年の経済成長率見通しは年率で1%に低下する。

 

欧州の先進国は、昨年はCOVID-19で落ち込んだ経済を大きく回復させたが、急速なインフレとロシアによる天然ガス供給の大幅削減で、今年と来年の経済成長は大きく鈍化する。ドイツは今年の1.2%が来年は0.8%、フランスは同2.3%1.0%、英国は同3.2%0.5%への落ち込みである。

 

中国も、ゼロコロナ政策による経済の停滞と不動産問題で、今年の経済成長率は3.3%の大幅な落ち込みになると見られる。来年は4.6%に回復するが、この3月に全国人民代表大会(全人代)で李克強首相が示した年率5.5%には全く届かない。

 

そして日本。欧米先進国に比べコロナ禍からの経済回復が大幅に遅れた。2021年の数字を見れば明らかである。米国が年率5.7%、ドイツが同2.9%、フランスが同6.8%、英国が同7.4%であったのに対し、日本は僅か1.7%にとどまった。

 

来年の見通しだけを見れば、急激なインフレが欧米諸国の経済成長を大きく低下させたのに比べ、日本のインフレは今のところは相対的に低い。と言って安心してよいはずはない。日本の成長が停滞し続けたままであることの方がもっと問題である。それは上のグラフを見れば一目瞭然、説明には及ばない。

 

社会経済構造が改革できない日本に、じわじわとインフレが進んで行くというのは恐ろしい話である。

 

 

1/     International Monetary Fund

2/     Federal Reserve Board

 

 

 

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