参議院選挙
(2019/7/22)
昨日の参院選の投票率は48.8%と半分を切った。そして、選挙結果は概ね予想どおり。自公で過半数を確保し、維新の会を加えても憲法改正に必要な総議席の2/3にはちょっと届かないというものであった。
その原因はなんであろう。今回は参議院半数改選の時期が来たので選挙をしましたという程度で、どの政党もまともに論点を争うような主張がなかった。
野党は年金問題を口にしたが、問題の解決に向けて具体的に詰めた話はどこにもなかった。
国民年金だけで老後の生活が成り立たないことは、誰でも知っている話である。その支給額をもっと上げようというが、財源について緻密な話など全くない。金持ちと大企業から税金を取ればよいでは、全くお話にならない。
消費税を無くせば可処分所得が増え、景気が上向くと仰る候補もいたが、一般会計の1/3が国債で賄われている状況をどうするのかという話など何処にもない。
この方、日本の税収で消費税が占める割合はEU諸国と比べて高いと言っていたようだが、これはEUでは所得税収が多いからにすぎない。といっても、高所得者だけが多額の税を払っているわけではない。
ベルギー、ドイツ、イタリア、フランスを見れば、子供なしの独り者であれば、給与の40〜50%を所得税で取られてしまうという人は普通にいる。その上で物品には20〜30%の付加価値税がかかっている。別に金持ちではない普通の給与所得者でも、しっかりと所得税を取られているのが実の姿である。
憲法改正も、何かといえば憲法9条に話が絞られてしまい、結局、「平和を守れ」=「憲法改正反対」という単純な模式となる。
今回の参院選でも一票の格差は全く解消されておらず、3倍を超える格差が出ている。
そもそも、私は参議院の存在意義自体を考える必要があると思っている。
思い切って議員数を減らし、参議院を地域の代表と定義して、47都道府県から2名ずつの選出、総数94名ではどうだろう。もう1人増やして3名ずつを選んでも、総数は141名で済む。その代わり、衆議院はきっちりと選挙民の数を反映させた議員選出数とする。
こんな議論をするならば、憲法改正問題は避けて通れない。時代の変化について行けなくなった憲法を後生大事に抱えていたところで、ますます形骸化するばかりである。
残念ながら、今回の選挙戦では(というか今回も)、消費税、年金、憲法改正、どれを取っても中身のない上辺だけの主張であった。投票率が半分にも満たなかった一番の原因はそこにあると思っている。