参議院不要論
(2018/7/12)
そもそも参議院の存在意義はなんだったのだろうか?衆議院に対するチェック機能であったはずである。それ故に、参議院に対して良識の府という言葉がかつて使われたが、今やその面影はない。衆議院のコピーにすぎず、衆議院の議決を追認するためだけに存在する。
昨日、参議院本会議で参議院の議員定数を6増やし、比例区に特別枠を設けるという自民党の公職選挙法改正案が可決された。
そもそもこの改正案が出てきた背景は、参議院選挙の「一票の格差」を是正することにあった。しかし、これまでの格差是正は小手先の対応を繰り返すだけであった。結局、選挙民の数が少ない島根と鳥取が「島根・鳥取」の合区、徳島と高知が「徳島・高知」の合区となり、自民党のなかで候補を擁立できない状況が起きた。今回の法改正で、その擁立漏れとなった候補を拾うために「特別枠」を設けたというわけである。
完全に自民党の党利党略であり、地方議員対策でしかない。参議院が衆議院のコピーとしての存在でしかないから、特別枠の設置を通して地方の陣笠議員の数を保証するという構造に至る。
定数是正のための真面目な議論が行われないのであれば、もはや参議院に存在意義はない。解決策は二つ。参議院を廃止し、衆議院だけの一院制にするか、あるいはアメリカの連邦議会のように、衆議院は選挙民の数に基づいて選び、参議院は地域の代表として各県2名に限定するかである。
加えて現状の衆議院の格差是正にも問題がある。格差を無くすということは、国税調査に基づいて物理的に生じる計算上の誤差しか認めないということであり、2倍までならば許容されるなどという訳のわからない判断ではない。
現在、衆議院は465名、参議院は242名である。議員の言動を見ていると、余りにも資質のない議員が目に付きすぎる。しかも、その資質のない議員が年功序列で大臣に任命される。
そもそも資質に欠ける議員を国会に送る必要はない。頭数だけの陣笠議員をなくし、議員定数を削減するべきである。議員数を今の半分にすれば、少しはまともな政策議論ができる。