大統領選挙の見通し
(2020/9/29)
11月3日には、米国大統領選挙の投票が行われる。世論調査の結果では、バイデン候補が現職のトランプを上回る支持率を得ているが、その一方で、やれ実は隠れトランプ支持層がいる、それトランプの岩盤支持層は強固だなどの話も出ている。
しかし、このところのトランプ大統領を巡る政治環境は決して良いものではない。コロナウイルスの蔓延は一向に収まらない。中国を目の敵にしてティックトックのアプリのダウンロードを禁止しようとしたが、裁判所はそれを差し止めた。ブラックライブスマター(MLM)運動に批判的なトランプの態度も大きなマイナス要因になっている。
さらにここに来て、トランプが実は所得税をほとんど払ってこなかったという話まで出てきた。この納税問題は2016年の前回の選挙でもあったが、当時、彼はこれは税制を上手く使っただけであると説明していた(俺は頭がいいんだ、と言わんばかりであったと記憶する)。
そんななか、エコノミスト誌が大統領選の見通しについてモデル分析を行っている。数日前の分析結果であるが、おそらくバイデンが勝つだろうという。
選挙人団でみると、バイデン勝利が85%、トランプ勝利は14%である。選挙人を選ぶ一般選挙人で見ると、バイデン勝利が実に97%、トランプ勝利は僅か3%となる。
大統領として当選するには270人以上の選挙人を獲得する必要がある。エコノミスト誌の見通しではバイデンの獲得数は213から415人、一方トランプは123〜325人と予測する。
選挙は水物、蓋を開けてみないと分からないが、トランプはかなり劣勢に立たされているものと見られる。