トランプ大統領就任 (2017/1/22)

 

 

トランプ第45代大統領の就任の演説は、歴代の就任式とは異なる型破りなものであった。このあたりの話はニュースメディアが話題にしたとおりである。政治のビジョンというものはなく、単に強いアメリカを取り戻すというスローガンだけであった。

 

現状に満足していない人々にとっては溜飲が下がる思いもあろうが、では実際に製造業(というよりも製造工場)が海外から戻り、かつての強いアメリカ、1950年代・60年代の姿に戻れると信じている人はどれほどいるのだろうか。フンと鼻先で笑っているエコノミストも多かろう。

 

そもそもトランプ氏が28年にわたって大統領の職を全うしようと本気で考えているのかと言えば、少々疑問である。ひょっとするとこの方、選挙戦で訴え続けていたメキシコ国境への壁の建設、不法移民の送還、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉と環太平洋連携協定(TPP)からの離脱、オバマケアの廃止、そして中国からの輸入品への35%課税がやりたかっただけなのだろうか。

 

彼の政策でラストベルトの鉄鋼業が復活するとは思えないし、中国製品の輸入に課税すれば、当然のように中国政府は中国市場に進出している米国企業に報復するだろう(アップルやGMなどは真っ先にそのやり玉に上がる)。来年の中間選挙までに、米国内のオールドインダストリーの復権に実感が得られなければ、彼の支持者達は失望を持って去って行くことになる。

 

私には、なんとなくトランプ政権は14年だけの短命に終わるのでなかろうかという予感がある。そもそも、トランプ氏が本当に政治家として名を残したいと考えているのかよく分からない。彼はマスメディアで名を売ることにはご執心であり、不動産王の俺様なら大統領だって出来るぜというノリで選挙戦に出たら、予想を裏切って当選してしまったと考えるのはちょっと失礼だろうか。

 

 

 

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