問題続きの新国立競技場 (2016/2/7)
新国立競技場の建設計画で、今度は聖火台の置き場所がないという、ちょっと信じられない問題が起きた。巨額のコストオーバーランにより、一度は決定済みのザハ・ハディド案を白紙撤回し、新たなコンペを通して熊研吾氏のデザインに変わるという大騒ぎがあったのは、ほんの2ヵ月前の話である。こんどは聖火台が建設の図面に入っていなかったという。そもそも、ザハ案の時から聖火台の設置場所は想定していなかったというから恐れ入る。
この責任、いや、無責任が文部科学省にあるのか、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)にあるのか、私には分からないが、予算を含めて、プロジェクト監理能力のない人と組織が主体者なのだから、結局、このような結果になるのだろう。金の出所は所詮税金、失敗しても民間企業のように倒産するわけではないし、ご当人達も職を失い路頭に迷うわけでもない。お役所仕事も、ここまで来ればもう何とも言いようがない。ただただ、呆れるばかりである。
この聖火台事件の直前にも、別のきな臭い話が持ち上がっていた。自民党が国内の林業振興のために、イスを全て木製にするように遠藤五輪担当相に申し入れたという。追加費用は数10億円に及ぶという。この申し入れを決めた自民党の部会では、「(建設費の)上限を超えたら急に国民が怒り出すとも思えない」「カネのことは(党に)任せて」などと、建設費の増加を容認する意見も出たという。(朝日新聞2016年2月26日記事)
役人も役人ならば、政治家はさらに節操がない。彼らにとって、所詮は他人の金(税金)である。たかれるものは、たかっておこうと。