トランプが再選される可能性は3分の2 (2024/6/14)

 

 

11月の大統領選挙でバイデンが勝つのか、はたまたトランプが勝つのか、今のところ世論調査結果では支持率が拮抗しており、まさに五分五分である。

 

エコノミスト誌は様々な世論調査結果に経済指標を加えた予測モデルを作っている。2020年の選挙結果は、少々バイデンに振れたが大旨予測通りの結果になった。11月の大統領選を控えて、エコノミスト誌は初めての予測を発表した1/。もちろん選挙までまだ5ヵ月あり、世論調査の結果も変わるので結果はまだまだ流動的ではあるが。

 

では612日時点の予測結果はどうかと言えば、共和党(トランプ)が勝つ可能性は勝率66%3分の2)、民主党は勝率33%3分の1)である。つまりトランプがかなり優位にある。

 

確かに全米を通して見れば、両者は拮抗しているが2/、選挙結果を左右するのはいわゆる接戦州である。

 

大票田で言えば、カリフォルニアやニューヨークは民主党が圧勝し、テキサスでは共和党が圧勝するので、ここでの支持率変動は大勢に影響しない。

 

一方、ミシガン、ウイスコンシン、ペンシルバニア、ネバダ、アリゾナ、ジョージアの六つの接戦州(選挙人投票数が77)はどちらに動くか分からない。つまりこれら6州の結果が大勢を決定する。ちなみに2016年の選挙ではトランプが5州を制し、2020年ではバイデンが6州全てを制した。

 

現在の予測では、6州全てで共和党、すなわちトランプが優位にある。各州は選挙人投票数が異なる3/ので、州ごとに見なければならない。

 

民主党はもし6州のうち一つでも落とすと、民主党が勝てる可能性は圧倒的に低くなる。例えば、民衆党にとって最も影響の大きいミシガン(16票)で負けると勝率は33%から5%に下がり、最も影響の小さいジョージア(18票)でも20%に下がる。その逆はどうなるかと言えば、共和党はアリゾナ(11票)、ジョージア(18票)、ネバダ(6票)のいずれかの一つを落としたとしても、民主党の勝率33%を下ることはない。

 

現在の予測に基づけば、全米の世論調査とは裏腹にトランプが勝つ可能性は高い。

 

もし、トランプが再選されれば、米国は国際問題への関与を緩め、自国重視へと方向を転換する。トランプが選挙戦で叫んでいるように、MAGA4/の実現に終始する。恐らくウクライナ問題や台湾問題への関与で、現政権が取る政策は大きく変わるだろう。

 

一週間ほど前に行われた欧州議会選強では右派が大幅に議席を伸ばし、現在の欧州の協調体制に亀裂が見え始めた。トランプ政権が成立すれば、世界の地政学的な状況も大きく変わることを覚悟しなければならない。

 

 

1/     The Economist (June 12, 2024)

2/     直近の世論調査の中央値で言えば、トランプ支持が45.2%、バイデン支持が44.6%で両者はほぼ均衡する。

3/     ミシガン15、ウイスコンシン10、ペンシルバニア19、ネバダ6、アリゾナ11、ジョージア16

4/     Make America Great Again

 

 

 

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