東京五輪実施決断の悩み (2021/5/8)
昨日、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長が、今月17日に予定されるIOCトーマス・バッハ会長の来日は非常に厳しいと発言した。要は、この緊急事態宣言の中で、さすがにコロナ禍の日本には来られない(行きたくない)という話である。
国際オリンピック委員会 (IOC)、政府、そして東京都、皆が五輪を開催するか中止すべきか決断できないまま、ずるずると日にちを先送りにしてここまで来てしまった。
開催まであと2ヵ月しかないというのに、本音では開催はもう無理ではなかろうかと思っていても、誰も口火を切って決断を下したく無い。口火を切れば、そこが責任を負うことになる。
バッハ会長であれば、米国の放送会社から入る莫大な放映権料が消えてしまう。そんな不名誉は背負いたくない。東京都はと言えば、招致した以上、面子がある。中止を言い出せば、IOCから多額の損害賠償金を要求される可能性もある(と言われている)。政府の立場も東京都と同じである。さらに、この秋に衆議院選挙を控え、菅政権としては五輪中止になれば、厳しい選挙を強いられる。
バッハ会長、小池都知事、菅首相、皆がハムレットの心境かも知れないーーTo be or not to be, that is the question。
一方、世の中の人々の思いは既に五輪から遠ざかっている。早い話、「もう、やめちゃったら」ということである。
最近公表された世論調査の結果である。調査の実施者により数字のバラツキはあるものの、中止・延期という声が実施の声を大きく上回る。これは日本だけではない。海外でも開催中止・延期の声が多数を占める。いやはや、事ここに至れば、五輪に対する世間の目は冷たいものである。
所詮、五輪とはお祭り(祭典)にすぎない。例え、強行に開催したとしても、私には、いまさら特段の関心は湧かない。