混乱の極み、東京五輪組織委員会 (2021/2/12)

 

 

森会長の女性蔑視発言があったのが先週の3日。翌日、森会長は謝罪会見をしたものの、辞任はしないと言った。これを受け、国際オリンピック委員会(IOC)が「この問題は終わったと考えている」とコメントを出し、一件落着とも思えた。

 

しかし、その後国内外から非難の声が湧き上がったことで、IOCは「極めて不適切」と手のひらを返した。バッハ会長、この変わり身の早さはさすがである。何せ、オリンピックは高貴なるブランドでなければならない。火の粉がこちらに降ってくると見れば、態度はがらりと変わる。

 

森会長は昨日辞任を表明し、元日本サッカー協会会長の川淵氏に後任への就任を打診した。これが「密室人事」と叩かれ、状況はさらに悪化した。結局、今日の午後、委員会の合同懇談会の場で正式に辞任する羽目となった。

 

辞任の挨拶で、ご当人は、「多少意図的な報道があったんだろうと思います。『女性蔑視』なんて言われて」、「女性を蔑視する気持ちは毛頭ない」、「老人が悪いかのような表現は極めて不愉快」 と恨み節を並べた。挙げ句の果て、最後には「命ある限り、日本のスポーツ振興のためにさらに研鑽していきたい」 とおっしゃった。

 

この方、ご自分の置かれている状況も、「老害」の意味も全く理解出来ていなかったようである。

 

そもそも論として、私には、組織委員会そのものに問題があったように見える。法人格は公益財団であるが、実態は森氏という「ワンマン社長」が動かす「個人商店」に過ぎなかった。だれも彼を諌めることは出来ないし、昭和生の老人の発想でしか事を進めることが出来なかった。辞任に追い詰められた83才の老人が84才の老人に後任を譲り、己の影響力を残そうとしては見たものの、それも僅か一日で失敗に帰したことがそれを物語る。

 

この際、組織委員会そのものを抜本的に変えない限り、変革は望めないだろう。しかし、来月には五輪を開催するのか、しないのか、判断しなければならない。どう見ても、改革するには遅すぎるというのが実感である。

 

 

 

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