夏祭り
(2006/8/29)
私の住んでいるマンションでは、夏も終わりに近い8月最終週の土曜日に夏祭りを開くのが恒例です。マンションの自治会で夏祭りを開こうという話が持ち上がった背景には、同じ所に住むことになった人々が協力して、子供達に何か思い出を作ってやろうという考えがあったと記憶しています。
このマンションが出来たのは、今から20年も前のことです。当時、入居してきた人の多くは、30代から40代前半の子供連れの家族だったと思います。新築のマンションに若い家族が集まるという、典型的な郊外型の住宅でした。かくいう私も、当時はまだ三十代半ばにあり、かみさんと一歳の長男の三人連れで入居しました。翌年には、ここで長女が生まれました。
あれから二十年が経ち、二人の子供もいつの間にか成長し、すでに家を離れてしまいました。よく言われるように新興住宅地が抱える問題の一つは、住宅と共に住民が歳を取ってしまうことです。
子供達も中学、高校と進むにつれて、夏祭りに参加することもなくなり、いつの間にか、祭りで見かける子供達も見慣れない顔に替わっていきました。特に、この4〜5年は、何となく、祭りに参加する子供の数が減ってしまったな、と感じるようになっていました。
ところが、今年は、祭りの風景にちょっと変化が現れたことに気がつきました。例年になく、子供達、それも幼稚園に行くか行かないかという小さな子供の数が明らかに増えたことです。マンションの住民もいつの間にか入れ替わり、最近は若い家族がずいぶん多く転居してきたようです。何となく20年前とよく似た光景が戻ってきました。
お盆が過ぎれば、夏の暑さも明らかに和らいできます。夏の最後を飾るこの小さな夏祭りでいつも感じることは、祭りの終盤、後片付けに入る時間ともなれば、周りの気温が明らかに下がっていることです。秋の爽やかな風がもうそこに来ていることが感じられます。あと一週間もしないうちに、子供達の新学期が始まります。
今年は梅雨明けが遅かったこともあり、短い夏でした。毎年のことながら、この夏祭りで今年の夏はもう終わりなのだと、体で感じています。