株価、バブル期以降の高値 (2023/5/20)

 

 

昨日の東京証券取引所の日経平均株価終値は38915.87円とバブル期以降の高値となった。

 

日経新聞を始め、いろいろなメディアがその理由を講釈している。大まかに言えば、①欧米の政策金利の上昇、それがもたらした幾つかの銀行の破綻により景気の先行き不安となり、日本が投資先として見做されたこと、②今年度の日本企業の決算が相対的に良く、かつ自社株買いを進めた企業が出たことで一株あたりの価値が上がったこと、ま、そんな説明である。

 

そこでバブル末期の日米の株価を比べてみると面白い(情けなくなる)。

 

バブル期最後の日経平均株価の最高値は19891229日の38915.87円であった。一方、当時のニューヨーク市場平均株価(ダウジョーンズ)は同年1226日の終値が2062.30ドル1/であった。

 

昨日の終値は東京市場が38915.87円なので、バブル期の最高値の79%まで戻した。対して、ニューヨーク市場は33426.63ドル、つまり16倍になっている。ある意味、これが日本企業と米国企業の実力差、あるいは国の経済力の違いと言える。

 

バブル末期の日本企業の代表は何だったのだろう。まずは自動車メーカーや電機製品メーカーの名があがる。例えば、トヨタ自動車は当時でも今でも市場に君臨する。同様に、米国のその当時の代表企業の一つにGMがあったが、今や過去の企業でしかない。

 

米国で当時の花形に替わって出現したのは、言うまでもなく一連のIT企業である。その中の一つアップルは、同時ほとんど潰れる寸前の状態にあった。その時、ソニーがアップルを救済するために買収するという話があった。

 

ところが今や、アップルの売上げ(2022年)は3943億ドル(51.3兆円)、純利益は998億ドル(13兆円2/)である。一方、ソニーの2022年度の売上は11.5兆円、純利益が1.2兆円である。つまり、アップルは売上でソニーの4.5倍、純利益で10倍を超える。これが30年後の両社の姿である。もちろん、ソニーは今でも押しも押されもしない優良企業である。が、アップルは倒産寸前から、超速度で業績を伸ばし、ぶっちぎりでソニーを引き離した。

 

これはアップルとソニーの比較に過ぎないが、基本的には両社の30年の歴史が今の日米の経済と資本市場規模の差を作った原因を表していると私は思っている。つまり、米国では企業の優勝劣敗が当たり前で、産業の革新と創造が進んだが、日本ではそれがないまま、30年経って今の姿となった。

 

 

 

1/ Yahoo!finance https://finance.yahoo.com/chart

2/ $1 = ¥130で計算。

 

 

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