石原元都知事の会見 (2017/3/6)

 

 

石原元都知事が先週開いた豊洲問題に関する会見は、お粗末そのものであった。現役時代は、俺様がという勢いで常に強気の発言を繰り返していたが、今回、それは全くなかった。

 

唯一、会見の冒頭に放った「座して死を待つつもりはない」という言葉は勇ましかったが、後は「審議会が専門家も含めて決めたこと」、「私、専門家じゃない。知見も能力もない」、「責任はみんなにある」、「(契約書への署名は)覚えがない。私の判子が使われた」と、誇りも捨てて責任回避に終始した。

 

自らの責任問題とは裏腹に、豊洲問題の混迷、迷走の責任は小池知事にあると、他人への批判だけは忘れなかった。

 

曰く、「専門家も安全だという豊洲を使わないのは理解できない」。それでは、なぜ今に至って地下水汚染が取りざたされ、モニタリングの分析を継続せざるを得ない状況になったのか、石原氏の口からそんなお話しは出てこない。

 

この方、右翼的な発言で物議を醸すことが多い人であった。そんな目で見ると、「責任はみんなにある」という石原氏のご意見は、まさに太平洋戦争の責任について「一億総懺悔」することで、当時の指導者の責任が曖昧なまま消し去られてしまったことを思い起こさせる。

 

いずれにせよ今回の会見、威勢の良い石原節は影を潜め、自らの責任を回避するだけであった。それはご当人もよくお分かりだったようで、最後に「何か皆さん、割り切れないでしょうけどね」と言い残して退場して行った。

 

はいはい、言われるまでもなく、誰も、全く割り切れていません。

 

 

 

説明: 説明: SY01265_古い出来事」目次に戻る。

 

説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: door「ホームページ」に戻る。