パラリンピック学校連携観戦プログラム (2021/8/22)

 

 

このプログラム、東京パラリンピック観戦を小中高校生に提供するものであり、東京、千葉、埼玉の3都道府県で172000人を対象として行われる。

 

ところで、今のコロナ感染状況を見てみよう。21日の新たな感染者数は25492人であり、過去2番目の多さとなった。かつ、3日連続で25000人を上回った。つまり、感染状況はこれまでになく大変な状況にある。

 

東京の医療体制は崩壊に近づいている。20日の東京都のモニタリング会議は、感染者の入院率は9.5%と極めて低い状態にあると報告した。この数字は1ヵ月前の25.2%と比べて大幅な低下である。要は、感染者が入院できない状況にある。

 

その結果、入院できず自宅療養する感染者の死亡例は8月に入って急増した。東京都では7月の1人が8月には8人、千葉県では0人が3人、同じく埼玉県では0人が3人である。

 

このような切迫した状況に追い込まれたことから、20日の知事会(オンライン開催)では、これまでの対応では効果が出ないので、ロックダウン(都市封鎖)が必要という意見が相次いだ。【朝日新聞821日】

 

そこで冒頭の学校連携観戦プログラムの話に戻ろう。

 

行政は、この状況下でも学校の生徒を集めて会場に連れて行き、試合を観戦させようと言う。19日に政府の対策分科会の尾見会長が今の感染状況は極めて悪いとして慎重な姿勢を示したのに対し、翌日小池都知事は、パラ観戦は教育的価値が高いと発言した。これは実施するという小池さんの強い意志表明である。

 

都知事の態度は五輪の時も同じであった。五輪開催が感染拡大に繋がったものではないと言い張ったが、それに同調する人は少なかろう。一方でお祭り騒ぎを煽っておきながら、他方でステイホームを叫んだところで緊迫感は湧かない。五輪を開催したのだから、俺だって友達を誘って酒を飲もう、旅行に行こうと考えるのはごく当たり前の心理である。

 

正直なところ、政府と東京都の言っていることと、やっていることには、全く整合性がない。その間に感染状況はますます悪化し、人々は行政を信用しなくなる。

 

 

 

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