週刊誌スキャンダルと凋落する民主党 (2017/9/14)
民主党代表が前原氏に決まったことで、党は再生を図りたかったようであるが、出だし早々、問題山積である。
前原代表は、党の切り札の一人とも言える山尾志桜里衆議院議員を一時は幹事長に据えようとしたが、週刊誌ネタのスキャンダルで手のひらを返すように彼女を切り捨てた。形の上では山尾議員の離党届を受け取ったという木に花を括ったような素っ気ない説明であった。今の民主党には個人的なスキャンダルで党を揺るがして貰いたくないという事情があったのだろう。
しかし、深刻な問題は山尾氏の離党などではない。8月の細野元環境相の離党に続いて、昨日は鈴木義広氏が離党届を出した。この後、さらに離党が予想される4名の議員名も明らかになっている。今の状況では、民主党は来年の衆議院選挙が戦えるわけがない。党の空中分解は時間の問題だろう。
さて、先ほどの山尾議員のスキャンダル。私の目には、彼女は政治家として非常に有能な人(頭の良い人)だと映る。その点でも、おおよそ下らんスキャンダルで政治生命を落とすのであれば、余りにも残念である。週刊誌やテレビは、芸能人のスキャンダルの如くこの問題を採り上げている。所詮、部数の売上や視聴率稼ぎの一過性の話題でしかない。
今回の不倫疑惑、全くの個人的な問題であり、政治家の資質をそれで計ることに、私は同意し難い。これは当事者である夫婦間の問題、家族の問題であり、犯罪ではない。倫理観を言う人もいるが、そもそも山尾氏ご夫婦の間に何が起きていたのか、彼女の家族の間でどのような問題が起きていたのか私は全く知らないし、それを知りたいとも思わない。倫理観を言うならば、この不倫騒ぎを面白おかしく騒ぎ立てているマスコミ連中の方がよほど倫理観に欠けている(と私は思っている)。
今朝の朝日新聞に瀬戸内寂聴さんのエッセイが載っている。タイトルは「山尾さん、孤独の出発に自信を。恋は理性の外、人生は続く」。そして結びの言葉は、「不倫も恋の一種である。恋は理性の外のもので、突然、雷のように天から降ってくる。雷を避けることはできない。当たったものが宿命である」。さすが寂聴さん、お見事である。