禍は口より出ず
(2019/4/12)
「駟も舌に及ばず」ということわざもある。かねてより失言を繰り返してきた桜田義孝五輪相であったが、今回はさすがに安倍総理も腹に据えかねたとみえ、パーティーでの「復興以上に大事なのは、高橋さんでございます」発言が発覚した数時間後に、更迭となった(表向きは辞任である)。
ちなみに、つい先日前に塚田一郎国土交通副大臣が「忖度」発言で辞任したばかりである。
これらの人達がたまたま軽い人であっただけなのか、年功さえあればその程度の人でも大臣になれるのか私には分からないが、国会議員にはお粗末な人達が普通にいるものだというのが、私が常に感じていることである。
櫻田氏、衆議院議員を7期も務めているので、地元ではそれなりに強い支持基盤を持っているのだろう。ただ、失言を繰り返した後の彼の弁解を聞いていると、思慮がある人とは思えない。
かつて、政治的な主張はないまま、ただただ地元の有権者の手を握って廻われば、それだけの票が集まるという「どぶ板選挙」なるものがあった。なんとなく人がよく、面倒見が良さそうな人が議員に選ばれるという構造である。
現在、日本には経済、外交、安全保障、そして老齢化が進む中での社会保障の維持という厳しい問題が山積している。その一方で、税収は限られ、財政は膨大な借金まみれである。そのような状況下で、あのような「軽い人達」が政治を動かしていると思うと日本の将来が空恐ろしくなる。
衆議院には465人、参議院には242人という定員が割り当てられているが、国政を担うに値する議員は半分もいるのだろうかと疑わざるを得ない。少なくとも議員の数を半減し、質の向上を目指すべきというのが私の確信である。