ロシアは混乱に落ちつつある (2022/11/23)
ロシアのウクライナ侵略は、結局上手くいっていない。南部のヘルソン州では、ロシア軍は首都ヘルソン市からの全面撤退に追いやられ、プーチンにとって侵攻開始以来最大の敗北となった。東部のルガンスク州でも、ロシア軍はじりじりと後退させられている。
プーチンは新たに30万人を招集して、前線に送ったが、ろくな訓練も装備も与えられないにわか仕立ての新兵は、ウクライナ軍の砲弾の餌食となるばかりとなった。
そんなロシアでは、ますます社会不安が高まり、この招集が発表されるやいなや30万人の若者が国外に逃げ出した。そもそもウクライナ侵攻が始まった2月下旬の数週間で既に30万人が国外に逃げ出している。彼らの多くは、若く、教育を受けた能力のある人達である。これはロシアという国の経済や人口動態にやがて大きな影響を及ぼすだろう。
実は私の息子がフィンランドで働いている。会社の中にはロシア人もいる。彼らは、「国に残した両親のことは気がかりではあるが、もはやロシアに帰る気はない。」と言う。
プーチンが政治的な勝利を収めることは、もはやなかろう。ウクライナで引き起こした混乱が、やがてロシア国内で起きても不思議ではない状況になりつつある。ロシアは多民族国家であり、国内には21*/の共和国がある。ウクライナの領土併合が上手く行かなければ、それが前例となって、国内の異民族共和国における不穏な動きに繋がりかねない。
もはや国の運営し失敗したプーチンに、今後も累々と若者の屍を積み上げて戦争を続ける事が出来るのか、はたまた国内で政治的崩壊が起きるのか、来年には何らかの兆候が出て来るのかもしれない。
*/ ロシアは24とするが、クリミア、ドネツク、ルガンスクの三つは国際的にウクライナの国土として承認されていない。