予想どおりの選挙結果 (2017/10/23)

 

 

 昨日の衆議院選挙の結果は予想どおりのものであった。安倍首相への批判は数々あれど、自民党に代わる政党はと問われれば、答えに窮する。台風21号が選挙日にやって来たことは災難であったが、53.6%という戦後二番目の投票率の低さは天候のせいだけではなかろう。

 

 「驕れる安倍一強体制は許せない」、「森友・加計学園問題をうやむやに終わらせるな」、そして「平和憲法を守れ」だけで、野党が自民党に代わって政権を担当することには無理である。それはかつての民主党政権が身を以て示してくれた。

 

 私にとって、政策議論の中で経済と財政問題は重要な視点である。その中で消費税の10%への値上げについて、野党が掲げる反対意見には大きく二つがあった。

 

 一つは、上げることに反対はしないが、景気が本格的に上向くまで待つべきというものである。あるいは身を切る改革が先であるというのもある。

 

耳に心地よい話であるが、消費税については常にその様な逃げ口上で問題を先送りし続けた。その一方、少子高齢化が進む中、支出だけは確実に伸び続ける。何せ国の支出の最大分野は保険と年金である。その結果、GDPの二倍に膨れあがるまで国の借金を積み上げた今の姿がある。

 

 もう一つの意見が、400兆円あるといわれる企業の内部留保に手を付けろ、あるいは金持ちや大企業から税を取れというものである。

 

前者の内部留保の議論は税の二重取り、後者の金持ち・大企業に赤字のつけを回せというのは、直間比率を含めた税制議論を捨象した、たかりの発想でしかない。いずれも目先の対応策にすぎず、恒久的な安定財源をどうするかという真面目な議論からは余りにもほど遠い。

 

 かつて、米国のような二大政党の体制を作ろうと言ったこともあったが、今の野党体制でそれは全くおぼつかない。有権者の選択として消去法で考えていくと、結局の所、自民党が残ってしまったというお話しであろう。

 

 今回の選挙、野党は大義なき選挙と言っていたが、脳天気な話である。安倍首相が解散に踏み切ったのは、自らの地盤固めを狙い、来年の総裁選での三選を目指すことにある。つまり20219月までの長期政権を目指すことである。選挙とはきれい事ではない。政治の戦いである。今回、安倍首相は大ばくちを打ち、それに勝利しただけのことである。

 

 

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