大臣の資質 (2018/11/15)
いつの時代でも、この大臣の資質、ちょっとどうかねと思わせる方は結構いる。第4次安倍改造内閣で東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣に任命された桜田義孝氏もその一人だろう。
桜田大臣、参議院予算委で東京五輪・パラリンピックの基本コンセプトなどを質問されたが、即答できなかった。その後の会見で「事前通告がなかったから」と釈明したものの、質問者の蓮舫氏が「事実誤認」と反論したことで、結局頭を下げざるをえなくなった。おまけに、蓮舫氏の名前を何度も「れんぽう」と間違え、それを正されるという体たらくであった。
国会答弁であれば、事務方が相当のレクチャーと、想定問答集を用意してくれているはずだが、桜田大臣の場合は、その甲斐もなかったという事だろう。当然のように、野党からは「自分の仕事について、本当に勉強しているのか」と揚げ足を取られることになる。
昨日は、もう一つの担当であるサイバーセキュリティーについて、この方、私は普段からパソコンを使っていませんと曰った。要は、(自分の会社の)従業員や秘書がやってくれるので、使ったことなどないとのことである。こうなると、もう時代の進歩に付いていけない「昭和のおじさん」でしかない。そんな人物がサーバーセキュリティーの担当大臣とは、もはやブラックジョークを超えている。
第3次安倍第2次改造内閣当時の金田法務大臣、稲田防衛大臣の時も同じであったが、なぜこのような資質に疑問符の付く人物が次から次へと大臣に任命されるのだろうか。残念ながら、最も中核を担う大臣を除けば、その年功に応じて名誉職的に任命されているのが日本の大臣の現状である。何期何年議員をやったので、そろそろ大臣の席を、という事になる。
人口に比べて議員の数が多すぎる。その結果、ほとんど何の役にも立たない人物が国会議員になり、そんな陣笠議員が地盤と看板だけで議員の在職期間を積み上げる。その挙げ句が、稚拙な答弁、立ち往生を繰り返す大臣を生む。
米国のトランプ大統領の言動を笑っている日本人であるが、それより自らの国を動かしている愚かな政治家を問題視する方が先だろう。