2020年大統領選挙 (2020/2/6)
一昨日のアイオワ州民主党員集会で一番多くの支持率を得たのはピート・ブータジャッジであった(日本の報道はブティジェッジと記述しているが、CNNやABCのニュースを見ていると、発音は[buːtədʒʌdʒ]である。もっとも彼の名前は、米国人もどう読むのか迷うようである。)
今回の結果は、これまで世論調査で言われていた順位と全く逆である。
下馬評では、1位がジョー・バイデン、2位がエリザベス・ウォーレン、3位がバーニー・サンダースであり、ピート・ブータジャッジはその他の候補の一人としか見られていなかった。第1位から第4位まで綺麗に順番が入れ替わってしまった。
一方、共和党側の動きはといえば、アイオワの民主党員集会でデータを取り扱うアプリケーションが問題を起こしたことにより結果発表が大きく遅れたことを見たトランプ大統領は、民主党の混乱を馬鹿にして大統領2期目を掛けた今年の選挙は俺のものだと発言した。
過去3年間のトランプ大統領の行動には相当ひどいものがあったが、次の大統領選挙で彼に対抗する民主党候補が余りにも弱すぎる。
ジョー・バイデンは77歳、バーニー・サンダースは78歳と、米国の大統領として責務を果たすには年を取り過ぎている。
バーニー・サンダースは、インタビューで何やらダラダラと話をしたり、言葉を言いよどんだりして、明らかに老いを感じさせる場面が見られる。加えて、彼は社会主義者を自称しており、一部には熱狂的な支持者がいるものの、全米の多数派の支持が得られるとは到底思えない。
エリザベス・ウォーレンは70歳で年齢的にはドナルド・トランプに対抗できるが、バーニー・サンダースと同様に左に寄り過ぎ、全米の支持を得るのは相当難しい。
そんななか、トランプ大統領は4日の一般教書演説で就任からこれまでの3年間の実績を誇った。
面白かったのは、トランプ大統領が演説を始める際に、後ろに控えるペロシ下院議長(トランプ大統領の弾劾を決めた下院の張本人)が求めた握手を無視する行動に出たこと、そして演説の後、ペロシ下院議長が手元の大統領の演説原稿をビリビリと破いて席を立ったことである。
そして翌5日、上院議会はトランプ大統領の弾劾裁判で無罪を評決した。
共和党と民主党は、もはやお互いに折り合いを付けることが不可能な事態に陥り、国内はトランプ支持派と反トランプ派とに大きく分断されてしまった。
3年前にドナルド・トランプが大統領に就任したとき、私はトランプの2期目はないだろうと思っていたが、このように政治を取り巻く状況は今や大きく変わってしまった。民主党が強い大統領候補を出せないまま、トランプ大統領が2期目に入るのかも知れない。