安倍内閣支持率の急落 (2017/6/19)
今朝の新聞各社は、安倍内閣支持率について世論調査結果を発表した。支持率は急速に下がり、いずれの結果も支持は50%を割り、不支持と拮抗してきた。
言わずもがなであるが、これは森本学園と加計学園を巡る一連の問題と国会での共謀罪法案の強硬可決の結果である。
とりわけ加計学園問題に対する政府の対応は酷すぎた。
文科省が作成した「総理のご意向」文書の存在を最初は否定し、菅義偉官房長官は「怪文書」と発言し、再調査を否定した。結局、証拠を突きつけられて逃げられなくなり、文書の存在を認めざるを得なくなった。
文書の存在を公表した元前川事務次官に対する安倍内閣の対応は最悪であった。
安倍首相は、この問題に対する与党の追及を「政策とは関係ない議論ばかりに多くの審議時間が割かれた」と発言しているが、とんでもない話である。一連の学園認可絡みの問題は行政のあり方を歪めたものであり、民主主義の根幹に係わる問題である。もし、不正行為があったのであれば、それは政治の腐敗そのものである。国民は絶対に目をつむるべきではない。腐敗した政治の行き着く先は国家の破滅でしかない。
今朝の朝日新聞で見つけた記事である。NHKの番組で下村博文幹事長代行が「前川さんが、辞めた後にああだこうだというのは卑怯な話」と言ったそうであるが、これこそ為政者が自らの不都合を隠蔽するためについた悪態でしかない。
そもそも前川氏は面白いことを言っている。彼の座右の銘は「面従腹背」とのことである。役人として最高の地位である事務次官とはいえ、所詮宮仕えの身分である。役人に対する生殺与奪権は、時の為政者が持つ。もし彼が在任中に正論を吐いたとしても、辞任に追い込まれただけである。政権を担う政治家と役人では力関係が余りにも違いすぎる。
政治家はたかが役人と思っているのであろうが、その彼らにも矜持がある。為政者が役人など思いのままに出来る使用人と考えているならば、行政機構は朽ちていく。
これも今朝の朝日新聞の広告に載っていた今週号のアエラの見出しである。「ふて腐れ無気力になるエリート官僚たち」、小見出しには「出世は『菅さんのお眼鏡次第』/でも『民主党の悪夢』再来だけは絶対イヤ」というのもありました。
まさに政治家の勝手に翻弄される霞ヶ関の苦悩を表している。