ピョンチャンオリンピックへのロシア選手参加 (2018/2/10)

 

 

昨日からピョンチャン冬季オリンピックが始まった。国際オリンピック委員会(IOC)は、ロシアが国家ぐるみで薬物使用を行っていたとしてピョンチャン大会への参加を禁止した。

 

そもそも、1970年代、80年代当時からソ連圏で国ぐるみの薬物使用が行われていたことは、広く知られていた。ロシアからの内部告発により、組織的に尿検査の検体のすり替えが行われていたことが広く知られるようになった時点でも、IOCは自らが追求すべきその責任を避け続けた。

 

そんななか、2016年のリオデジャネイロオリンピックからロシアを排除するかどうかについても、IOCはそれぞれの国際スポーツ連盟がロシアの参加の是非を決めることを任せ、自らの判断をしなかった。結局、リオ大会でロシアの完全な出場禁止を決めたのは国際陸上競技連盟と国際ウエイトリフティング連盟だけであった。ロシアは国としての追放処置からまんまと逃げおおせたと見られていた。

 

IOCの煮え切らない態度には、国際的な世論を無視することは出来ないものの、常にオリンピックという興行を成功させたいというソロバン勘定があった。スポーツ大国ロシアを排除、あるいはロシアからオリンピックのボイコットを受けることには相当の躊躇いがあり、薬物問題でも優柔武断な対応が続いた。しかし、IOCもさすがに国際的な非難を無視できず、ピョンチャンではロシアが国としてオリンピックに参加することを禁止した。ただし、妥協案として、過去に薬物に係わっていなかったことが証明できる選手については、ロシアからのオリンピック選手(OAR)という肩書きで個人参加を認めた。

 

冷めた目で見れば、オリンピックは美しいその建て前とは裏腹に、誘致を巡る汚職や賄賂の噂が常に付きまとってきた。薬物問題もそんなオリンピックを巡る暗部を世に晒しただけともいえる。

 

ピョンチャンオリンピックの話に戻れば、ロシアからの参加選手は170名ほどになったようである。果たして彼らがどれだけの数のメダルを取るのか、そしてIOCが閉会式までにロシアの出場禁止措置を解除するかどうか、プーチン大統領の一番の関心事かも知れない。

 

 

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