菅首相不信任案決議の馬鹿騒ぎ (2011/6/3)
東北では未だに多くに人々が避難生活を続けているこの時期に、管内閣の打倒に精力を傾けるべき時なのか、日本の政治はおおよそばかげている。不信任案は圧倒的多数で否決されたが、残ったものは、政治に対する国民の不信感だけである。
不信任案を提出した自民党、公明党、たちあがれ日本の各党は、東日本大地震とフクシマの原子力事故に苦しんでいる東北の人々の生活の復興よりも、政権奪取の方にご執心であったというわけである。また、一時は自公の誘いに乗ろうとした小沢派や鳩山派もご同様で、民主党内での主導権争いの方が重要だったと見える。
フクシマ事故に係わる菅首相の不手際と、それを指摘する国民は確かに多い。しかし、自民党の谷垣総裁や民主党の小沢前代表、ましてや鳩山前首相に菅首相以上の仕事ができたのかと言えば、もっと怪しいと思うのは、私だけではなかろう。私は、批判はあったものの、菅首相はそこそこの対応をしてきたと、思っている。
今回の不信任決議の馬鹿騒ぎは、日本が政治的に完全に思考停止に陥っている証左である。アフリカで見るCNNは、これまでの5年間で5人の首相が誕生しているという字幕を流しながら、この日本の国会の馬鹿騒ぎを伝えている。国際的にも、日本の政治の弱さと機能不全という見方が高まるばかりである。
このような体たらくでは、自民党はとても与党の座を取り戻すことはできないし、民主党も内部崩壊するしかない。あまりにも情けない日本の政治である。