海の家のない湘南海岸 (2020/6/20)

 

 

天気に恵まれた土曜日とあって、鎌倉の材木座海岸にも海水浴を楽しむ人が集まってきた。と言っても、例年に比べれば人影は少ない。家族連れやサーフィンを楽しむ若者(いや、お歳を召した方もいらっしゃる)の中に外国人もチラホラ見かけた。逗子近辺に住んでいる米軍関係者なのだろうか。

 

海岸がそれほど混み合っていない印象があるのは、まだ人出が限られるばかりではない。例年であれば海の家がびっしりと並ぶが、今年はそれがない事も理由である。浜辺の密を避けるために神奈川県が出したガイドラインが厳しく、結局、海の家の組合が今年は営業を取りやめてしまった。

 

私は、個人的には鎌倉の浜に海の家はない方がよいと思っている。

 

その昔、海の家とは家族連れの海水浴客が休むための場所を提供するものであったが、今や全く別物になってしまった。若者向けに酒や食事を提供するバー、レストラン、そしてクラブハウスとも言える代物に変わり、イベント会場までもが設営されるようになった。

 

そもそもの海の家とは、浜の漁業関係者が海水浴客のためによしず張りの簡易休息所を提供することを、浜辺を管理する国が例外的に認めたことがその始まりである(海岸は国有地であり、一方、地元の漁師は浜の漁業権を持っている)。

 

しかし、いつの間にかそれが利権となり転売されるようになった。地元とはゆかりもない事業者が既得権として海の家を営業するようになったのが今日に至る経緯である。決して、国は国有地である海岸に構造物を設置して飲食業を営む行為を認めているわけではない。

 

それほど広くない海岸が海の家に占領され、浜に酔っ払った若者がたむろする姿は、子供連れの家族が海水浴を楽しむのに適した状況ではない。事実、逗子海岸では、逗子市が海の家の営業時間、騒音対策、クラブ化の禁止、ライブハウスの禁止、音楽イベントの禁止など、規制(ガイドライン)を強めたことで、家族連れの海水浴客が沢山戻って来た。確か、一昨年のことであったと記憶する。

 

 

材木座から逗子方面を望む。未だ混み合うという状況にはなっていない。

同じく滑川方面を望む。海水浴客は家族連れが多い。

 

 

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