成田空港(2008.4.22)
私も出張の機会が多く、成田空港にはずいぶんお世話になっている。しかし、海外のハブと呼ばれる空港に比べると、今や、規模、サービス、アクセスと、全ての点でかなりお粗末な部類に入ってしまう。
アジアであれば、香港は圧倒的に規模が大きく、施設も近代的であり、成田を圧倒する。シンガポールのチャンギは、ついこの間、新しいターミナルの増設が完成し、やはり国際ハブとしてその存在感を強めている。
一方、成田も第一ターミナルの改装を終え、何とか体裁は保ったが、いかんせん滑走路が一本半ではお話しにならない。その限られた能力で航空会社を詰め込むから、受付カウンターの間合いも狭く、全てがひしめき合っている。
今回、アメリカ行きで経験した新しい発見である。私は日本航空(JAL)でダラス行きの便を取ったが、これはアメリカン航空(AA)との共同運航便であった。結構混み合っており、長い列を10分ほど並んで、やっとチェックインカウンターに辿り着いた。ところが切符を見せたとたん、係の女性曰く、「これはAAとのコードシェア便なので、AAのカウンターでチェックインしてください。」
おいおい、それはないだろう。機材の共同利用はコスト削減の手段で、そちらの都合でしょうが、こちらはあくまでもJAL発券の切符を買ったんだぜ。航空券には、立派に「JL5012」とJAL便名が書いてあるじゃないか。散々待たせておいて、門前払いですかい。最低限、列に並ぶ前に、「AAとの共同運航便については、AAのカウンターで手続き願います」と表示があっても良さそうなものでしょうに。
ここでの教訓。「(JALの)共同運航とは、他社の航空券販売の口利き業務にとどまります」ということのようである。ところで、この教訓は、全日空/ユナイテッド航空のような他社のコードシェア便でも当てはまるのだろうか?ちなみに、私は、他社の事情をまだ知らない。
もう一つ、おまけ。私の後ろに並んでいた人も、かなり不満顔であった。彼は手荷物だけなので、チェクインカウンターの前方に並んでいる自動発券機を使いたかったようであるが、係員曰く、「自動発券機でも、(カウンターで受け付ける乗客と同じ)列に並んでください」。彼も、長々と列に並んだ末、発券手続きに入るが、今更、自動発券機を使う気にはならない。放った言葉が印象的であった。「同じ列に並ばされるのならば、誰が自動発券機など使うか」。ごもっとも、ごもっとも。確かに、自動発券機は結構な数が並んでいるが、誰も使っていない。
ちょっと状況がつかめない方も多いかも知れないので、補足しましょう。海外でも省力化のため、自動発券機は結構使っている(というよりも、海外の方が進んでいる)。自動発券機はかなり広いスペースに多数並び、利用者は列を作らずにそこで直接搭乗券を受け取る(そもそも、列を作らなくてもよいような対応にしてある)。荷物を預ける人は、別途、列を作って、チェックインカウンターの順番を待つ、というわけである。
さてさて、東京はニューヨーク、ロンドン、パリに並ぶ国際都市と言いたいところであろうが、こと空港については、欧米はおろか、中国やシンガポールと比べても、完全に置いてきぼりを食らっている。