『私の考え』三浦瑠麗 20204月 新潮社

 

 

内容は随筆集であり、様々な分野を取り上げる。

 

三浦さんは国際政治がご専門と言う。ご本人がデビュー作は戦争の研究であったと言うように、本書でもちょっと硬く「女が戦争を語ると言うこと」と題した章から始まるが、国の未来、ジェンダー問題、メディアに対する批判、政治、子供のことと、幅広いテーマで文章が進む。

 

世間からは、彼女は保守系の論客と評価されることがあるが、私はそうは思わない。本質を突いた意見を論理的に組み上げるので、リベラルを売り物にしたがるマスメディアは、面白おかしくそんなレッテルを貼る。それに対して、「私は自由と進歩を信じているので保守ではないんですね」という彼女の言葉は妙に的を射ている。

 

同様に、彼女を「ちょっと上から目線の発言」と評する向きもあるが、これも論理性に重きを置くがゆえに、そんな印象を与えるのだろう。夏目漱石ではないが、「知に働けば角が立つ」といったところか。

 

一方、彼女は非常に感性を持った人だとも思う。ご自分の子供についての話を読めば、それがよくわかる。

 

一つ一つの随筆は短く、新書に纏められているので、半日もあれば読み切ることが出来る。

 

 

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