道徳教育 (2017/8/30)
今朝の朝日新聞に、美輪明宏氏の「国が道徳の教科化?笑っちゃいます」という記事があった。
彼は道徳論を振りかざす人達に対して「本当に愛情をもって子どもを導くには、まずは(自らが)導く資格があるかどうか、我が身を振り返ることです」、そして「人のハエを追うより、自分の頭のハエを追え」とも言っています。
けだし名言。
最近の出来事を振り返ってみよう。森友学園問題で名をはせた籠池理事長は、今や詐欺容疑で逮捕された身である。彼は幼稚園児に教育勅語を暗記させて、これこそ大和民族の道徳であり愛国心であると曰わっていた。ドーって事はない、道徳、道徳、そして愛国心と声高に叫んでいた御仁は、実は詐欺師でしかなかった。
この籠池氏を盛んに弁護していた稲田朋美元防衛大臣も同じである。彼女は「神武天皇の偉業に立ち戻り、日本のよき伝統を守りながら改革を進めるのが明治維新の精神だった。その精神を取り戻すべく、心を一つに頑張りたい」と発言している。その彼女も、森友学園の訴訟問題で「事件を受任し顧問弁護士だったということはない。裁判を行ったこともない」と国会答弁したものの、裁判所の記録で出廷していたことが判明した途端、私の記憶違いとの言い訳に終始した。
おおよそ道徳とか愛国心と声高に言う人間は信用しない方が良いというのが私の確信である。再び美輪氏の発言をお借りしよう。
「ヒステリーをおこし、「記憶にございません」と言っていれば大丈夫だと(道徳で)教えるんですか。」
きっとそうでしょう。道徳の教科化を叫ぶ方々のモラルとは、第一に「我が身はさておいて、他人には道徳を強要すること」。第二に「我が身の不始末がバレたときには、記憶にございませんと言い張ること」のようである。