三菱自動車の不正問題 (2016/5/4)

 

 

三菱自動車が単独で生き残る路はもう残されていないだろう。2014年の三菱自動車の年間生産台数は世界で130万台、国内が60万台。自動車メーカーとしては小さい。国内販売で言えば、本当に微々たる存在でしかない。2015年は僅か10万台を売っただけである。しかも、そのうち6万台が軽自動車。この状況では、十分な開発資金が投入できない。その程度の規模の自動車会社が10年間で二度もスキャンダルを起こせば、市場から退場を突きつけられるのは目に見えている。

 

2004年にリコール隠しで追い詰められた時には、三菱グループが資金提供して助けたが、あの時の三菱グループの救済もあまり冷静な判断とは思えない。大三菱として、グループの自動車会社を潰すわけにはいかないという、面子だけが理由であった。特に技術に優れるわけではなく、デザインも凡庸な、特徴のない自動車会社である。唯一ラリー車だけはマニアの間でもてはやされた時代もあったが、市場規模は知れている。あの時、思い切ってどこかと合併させていたら生き残れたであろうに、と思う。

 

しかし、今回は合併相手を捜すのは簡単ではない。かつて提携していたクライスラーもすでにフィアットの傘下にあり、三菱を吸収する理由はないだろう。1970年代に三菱が技術を教えた現代自動車は、今や世界第5位の自動車会社となった。その現代自動車が三菱自動車を傘下に置くというのは、どうなのだろうか。果たして、現代自動車が三菱に魅力を感じるだろうか。

 

後は、中国の自動車メーカー。これはあるかも知れない。英国のスポーツカーメーカーMG(モーリスガレージ)は上海汽車となり、スウェーデンのボルボの乗用車部門は浙江吉利控股集団の傘下にある。自動車産業は栄枯盛衰の歴史である。

 

今回のスキャンダルは、三菱グループという親方日の丸を頼りにした、三菱自動車の経営の甘さという気がしてならない。

 

 

 

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