衆議院選挙の結果 (2021/11/2)
衆議院選挙の結果は今更言うまでもなく、予想に反して自民党の勝利となった。選挙前の下馬評からすれば、圧勝と言ってもよい。立憲民主党は共産党とも手を結んで政権交代を叫んだが、結果は議席を減らしただけである。これは共産党も同じである。
マスメディアが選挙結果を解釈したように、多くの人は安倍・菅と続いた自民党政権に不満を持っているが、立憲を政権交代の受け皿としは見ていなかった。それは選挙直前の政党の支持率が自民38.6%に対して立憲8.0%にとどまったという数字に明確に表れている1/。
野党は選挙戦で自民党政権がコロナ対策で大きな失敗をしたと非難したが、東京都の新規感染者数は二桁の下の方にまで収まった。そうなると、菅前首相が言ったように、ワクチンが行き渡れば感染を抑えることが出来るという方針は正しかったように見える。コロナ対策を選挙の争点に取り上げてもインパクトはなかった。そもそも、コロナ対策に成功した国はなく、問題は多々指摘されるものの、各国の比較でいえば、日本の状況は未だましであった。東京が一時のニューヨークやロンドンのような状況に陥っていれば、それこそパニックになっていただろう。
面白いことに、自民党の支持率は若い世代ほど高く、年を取るほど低くなるという朝日新聞のデータである(右図参照)1/。記事にはなぜそのような傾向が出たのか分析はないが、私は、若い世代ほど今の生活や将来に不安を持っているからではないかと思う。それ故に、何よりも経済や雇用の確保が彼らにとって切実な政治課題になるのだろ。
私の娘も口にしたことがある——なぜ私達若い者が、年寄りのために税金や保険料を払わなければならないのだ。
こんな視点で見ると、年金や安い健康保険を手にして逃げ切った年寄り世代で自民党支持率が低く、立憲や共産党への支持率が高いことが面白い。立憲や共産党が政権を取れば、黙っていても今受けている年金や保険をもっと手厚くしてくれそうだ、という期待感があるのだろうか。
1/ NHK NEWS WEB (2021年10月25日19時37分) “各党の支持率は NHK世論調査”
2/ 朝日新聞DIGITAL (2021年11月1日)“自民の若者人気に陰り? 立憲は高齢者頼み続く 衆院選出口調査分析”