南北首脳会談 (2018/4/28)

 

 

昨日行われた文在寅韓国大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の首脳会談の様子は、海外のメディアも大きく取り上げた。ただし、両首脳が交わした板門店宣言で朝鮮半島の完全な非核化と年内に朝鮮戦争を公式に終わらせることを確認した点は賞賛に値するが、具体的な内容には全く踏み込んでいない。

 

今回の宣言は、対昨年末までの北朝鮮の行動からすれば極めて大きな変化と言えるが、非核化に向けた具体的な動きとなれば、そう簡単に事は進まないだろう。核に係わる同様な文言は2007年の南北首脳会談でも使われた。しかし、当時の金正日総書記長は舌の根も乾かぬうちにそれを反故にした。金政権は交渉で譲歩を見せるが、見返りを手にした途端、約束は無かったものに変わる。結局、韓国、米国、そして日本を含めた国際社会は常に騙され続けてきた。

 

父や祖父と同様、金正恩にとって自らの体制を保障する上で核は絶対に手放せないし、手放さない。また、北朝鮮の究極の目標は在韓米軍の半島からの完全撤退である。全ては、米国の意思なくして、文在寅大統領が決められるものではない。

 

5月下旬から6月上旬の予定で、トランプ大統領と金委員長の米朝首脳会談が開かれるが、非核化に向けた具体的な手続と行動となれば、話が簡単に纏まるとは思えない。もし、米朝首脳会談で結果が出なければ、次の南北首脳会談で今回のような微笑みと融和的な雰囲気で式典を飾るというわけにはいかない。

 

 

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