鎌倉はなし会 (2017/4/22)

 

 

私が子供の頃には、ラジオやテレビのスイッチを捻れば必ず落語番組があった。そうそう、確か「古典落語の時間」と題した番組があった(と記憶する)。

 

しかしその後は、ゆっくりと落語を聞く機会もないままこの年に至ってしまったが、たまたま地元の落語会がこの湘南で開かれていることを知った。会名が示すように、そもそもの会場は鎌倉であるが、鎌倉芸術館が改修工事に入り、この2年ほどは逗子文化センターが代わりの会場として使われている。

 

私が「鎌倉はなし会」の催しに参加したのは、去る2月、立川志らく師匠を迎えての落語会が初めてであった。志らく師匠、その噂に違わぬ才能の持ち主で、落語の面白さを堪能させて頂いた。

 

今回は桂米團治師匠である。父上は独特の大阪弁で喋る上方落語を復興させ、人間国宝となった桂米朝師匠である。

 

米團治師匠、のっけから歌舞伎の世界を引き合いに、世襲制の歌舞伎役者の息子は生まれたときからレールが敷かれており、小さいことからお坊ちゃまで育てられるが、落語の師匠の子供にはそんな話はない。せいぜいアホボンと言われるのが関の山、と笑いを取る。いえいえ、そんなことはありません。米朝師匠は凄い方でしたが、米團治師匠も独特の持ち味のある芸の道を開かれています。

 

地元で開く落語会なので、ネタも地元受けはするが、放送で全国に流すわけには行かないような際どい話も出てくる。そんな洒落を笑い飛ばすところに落語の面白さがある。いや、そもそも落語は庶民の文化であり、下々の生活や喜怒哀楽をネタにするところに、その神髄がある。

 

一流の噺家になるには、弟子入りして少なくとも10年の修行がいる。そんな下積みを経て、独自の芸風を生み出した者のみが真打ちとなる。これこそ芸の世界である。

 

 

 

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