シルク・ド・ソレイユ —— カ (2009.4.13

 会議に出席するため、先週はラスベガスに滞在していた。ラスベガスといえば、カジノとショーの二つが頭に浮かぶが、あいにくと賭け事は苦手である。当然、夜の楽しみは食事とショーという話になる。今回は、かみさんが一緒に来ているので、何を見に行くかという話になれば、彼女の方が遙かに上手。是非お勧めというのが、シルク・ド・ソレイユであった。

私も、名前くらいは知っていたが、その内容については、からきし知識がなかった。

そもそも、シルク・ド・ソレイユはカナダを発祥の地とするサーカス団とのことであるが、サーカスというイメージは全くない。演劇とアクロバットを組み合わせ、芸術に仕立て上げたものと言った方が遙かにふさわしい。脚本と演出の力は、ちょっと日本人には真似の出来ない水準にある。シルク・ド・ソレイユ自体は幾つかの出し物を持っており、ラスベガスだけでも、ホテルごとに、カ、オー、ミステアー、ズーマニティ、ラブを上演している。当地では、カの評価が最も高い。ちなみに「カ」とは「火」である。

演出には、日本の文化がいろいろと取り込まれており、歌舞伎の拍子木や隈取、そして刺青が特徴的であった。

演劇は完全に三次元の世界であり、人が宙を舞い、舞台も360度立体的に回転する。舞台が垂直に転倒すれば、それは崖のシーンと相成る。まさに一大スペクタクルである。ショーの最後は、花火がステージを飾る。室内であの花火を使うのは、技術的にも大したものである。ただし、私のいた座席では、火薬のにおいが全くしなかったので、別の仕掛けだったのであろうか。

ちなみに、日本に帰ってきて初めて知ったが、シルク・ド・ソレイユは、昨年秋から、浦安のディズニーランドで常設会場を開いている。ゼッドという出し物である。ラスベガスであれ、浦安であれ、是非とも一度見に行かれることをお勧めする。

 

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