インドネシア風朝食

 

インドネシアのホテルで朝食のビュッフェを見ると、ナシゴレン(焼き飯)、ミエゴレン(焼きそば)、焼きビーフンが並んでおり、これがインドネシアの朝食なのだなと思っていた。ところが、今回、スラウェシに出かけ、マナドとマカッサルに滞在して、インドネシアの朝食はもっと奥が深いことを知った。

 

インドネシアの国土は広大で、当然、その土地土地で料理も変わる。私が知った料理も土地の名前が付いており、特徴がある。取りあえず、私が試した料理を紹介しましょう。

 

ブブル・マナド(Bubur Manado

 

マナドはスラウェシ北部の都市であり、その昔、香辛料貿易で西洋人が開いた町である。このブブル・マナドも香辛料をたっぷり使っている。ベースはお粥であるが、これにトウモロコシを煮込んだもの(トウモロコシのお粥といった方が分かり易い)を混ぜ、干した鶏肉、干し魚肉、いろいろな香草をたっぷりかける。トウモロコシの甘さに香辛料の辛さとパンチが強く効いている。

 

思うに中国風の朝食にお粥があるが、これは白いお粥に干した魚肉、ネギなどのせ、醤油で味付けたものである。これは日本のお粥に近い。しかし、ブブル・マナドも確かにこのお粥文化の流れにあるが、インドネシアの香辛料文化が混ぜ合わさって、パンチのある食べ物になっている。

 

コト・マカッサル(Coto Makassar

 

マナドが北部にあるのに対して、マカッサルはスラウェシ南部の都市である。コト・マカッサルは米の団子に様々な干し肉(私が食べたものは、鶏の臓物、腸、レバーを干したものが入っていた)を混ぜ、たっぷりとココナッツのスープをかける。これにネギをかけ、醤油と唐辛子で仕上げの味付けをする。ココナッツ・スープなので、かなり味は強い。

 

ソト・ダギン(Soto Daging

 

コト・マカッサルトとよく似ているが、かけるスープは肉をベースにしたコンソメ風である。米の団子にテンペイ(納豆を固めたもの)、揚げ、干し肉をのせてスープをタップリとかける。

 

ラウォン(Rawon

 

昨日の朝食では見かけなかったが、今朝はソト・ダギンの代わりに置いてあった。大きな蒸し器の中に、バナナの皮で包んだ米が蒸してある。一見したところ、チマキとそっくりであるが、米は餅米でなく、うるち米である。また、味付けもしてない。この蒸し米をバナナの皮を敷いた皿に取り、干し肉、揚げ、テンペイ、卵を盛り、蒸し米の上にスープをかける。スープは香辛料、塩気ともに弱く、きわめて薄味である。

 

 

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