IMFは経済の落込みを予測 (2022/10/27)

 

 

今年に入ってからの世界的かつ急速なインフレの進行により、日本を除けば、各国は経済引き締めを始めた。また、COVID-19、ロシアのウクライナ侵攻は経済見通しに大きな影を落としている。

 

日本の消費者物価指数(CPI1/)は、この8月に前年同期比で3%の上昇にとどまったが、米国の9月のCPI8.2%上昇し、EU圏の9月のCPI8月の9.1%から10.0%の上昇となった。

 

この結果、欧州中銀はこの9月に政策金利を0.75%上げて、年1.25%とする事を決めた。米国連邦制度理事会(FRB2/)は同じく9月に政策金利を0.75%上げ、年3.03.25%とした。

 

金融引き締めは、言うまでもなく経済活動にブレーキをかける。利上げの結果起きた米ドル高は、結果として途上国の経済を締め上げる。欧州では、ロシアからの天然ガス供給の削減で生産が落ち込む。中国では、不動産部門の破綻が銀行部門に影響を与え、それが経済成長に大きな重しとなる。

 

そんな状況下で、IMFは世界経済見通しをこの10月に改訂した。

 

来年2023年のGDPの見通しは、米国が1.0%、ドイツが▲0.3%、フランスが0.7%、英国が0.3%と大きく低下する。日本は1.6%の予測であるが、喜べるものではない。2021年のDGP成長率は米国の5.7%、フランスの6.7%、英国の7.4%に遙かに及ばない1.7%にとどまった。お隣の韓国は、高いとは言えないものの、全て日本を上回る成長である。

 

中国も、かつての勢いはない。今年の成長率は3.2%、来年、さらには2027年を見通しても4%台の成長である。

 

世界経済はコロナ禍から抜け出したようであるが、来年は経済の落ち込みが待っている。

 

 

 

 

            1/ Consumer Price Index

            2/ Federal Reserve Board, 連邦準備制度理事会

 

 

 

 

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