香港
(2019/4/21)
香港に入ったのは何年ぶりだろうか?
アジアのインフラ投資調査でここに来たのは1990年代中頃だったと思う。かれこれ25年も前の話である。
当時は啓徳空港の時代で、ビルの頭すれすれを通って着陸するちょっとスリルのある危険な空港として有名なところであった。
私もここで、着地寸前で無理と判断したパイロットが機体を直ぐさま急上昇させるという離れ業を経験したことがある。二度目で着地に成功した時には乗客が拍手を送った事を今でも覚えている。
その後現在の新空港ができたが、便の乗り継ぎで空港に入ることはあっても、入国することはなかった。今回、たまたまエネルギー関連の会議が香港で開かれることで、5日間ほど滞在することになった。
1人あたりのGDPでいえば香港は既に日本の水準を超えている。平たく言えば香港の方がお金持ちである。
しかし、貧富の差は多分日本よりかなり大きいのだろう。金融街に行けば天を突く高層ビルがそびえ立ち、マンハッタンさながらの風景である。
一方、私が泊まっていた香港島の西部地区には未だに昔ながらの庶民の風景が残っている。乾物屋が軒を並べ、露地に入ると独特の中華料理の匂いが漂っている。
ふと思い返せば、未だ私が若かった頃、1970年代の台湾の繁華街でこんな匂いを嗅いだ記憶がある。庶民の生活はそれほど変わっていない気がする。
市場に並ぶ品の値段を見る限りにおいて、東京の方が安いと感じる。街中の不動産屋の広告を見ると、マンションの価格が軒並み1億円を超す。話には聞いていたが、ここで生活するのは結構金が掛かりそうである。
ちょっとお洒落な場所として有名なSOHO地区には観光客が喜びそうな風景がある。
イタメシ屋やバーが軒を連ね、ちょっとヨーロッパを感じさせる。SOHOの外れに孫文(孫中山)記念館がある。古い石造りの立派な建物を改修して記念館として使っている。孫文の歴史を知るのも良いし、英領時代のお屋敷として中を見るのも楽しい。
取り止めのない話を書き連ねたが、香港の雑踏、一緒に行ったカミさんもそこそこ楽しんでいたようである。