静岡知事の旅費たたき。マスコミもちょっとやり過ぎでしょう (2016/6/15)

 

 

舛添都知事の海外出張大名旅行の影響だろうか、今度は、川勝静岡県知事の海外出張旅費(ホテル代)が全体の4分の3にあたる54泊で規定を超えているというニュースが出ていた(615日のYahoo!ニュース。出所は同日の静岡新聞の記事)。何かと思ってよく読めば、知事の場合、規定で定めた最も高額な「指定都市ランク」(ロンドン、ニューヨークなど)で、宿泊費は129000円であるが、実際の支払額が何倍も上回っていたというものである。記事によればモンゴルのウランバートルのホテル代が152000円であったことが問題にされたようであるが、私の感覚では、取り立てておかしくもなく、そんなもんでしょうというところである。

 

若者の貧乏旅行やパッケージツアーではあるまいに、そもそもロンドンやニューヨークで29000円の予算で知事の宿泊に相応しいホテルが見つかるわけがない。シェラトンやウェスティンのニューヨークでのシングルルームの値段は500600ドル/泊というのは極々当たり前である。このクラスのホテルは、ごく普通のビジネスで使っており、決して贅沢ではないし、もちろん超高級でもない。ロンドンもパリと並んで、欧州の中でホテル代の高い都市である。普通のビジネス用途のホテルであれば、400ポンド(6万円くらい)はこれまた当たり前である。

 

私はウランバートルのホテル事情は知らないが、旅行者の少ない途上国で、先進国からの来客用のホテルの値段が極めて高いことはしばしばある。そもそも地元にその様なホテルが少なく、需給関係で相対的に高くなってしまう。というよりも、ロンドンやニューヨーク並みの値段であることは珍しくない。だからといって、地元の人が使う「宿屋」に知事が泊まることが望ましいとは絶対に思わない。セキュリティー上の問題に加え、公務ということであれば、訪問先で「どこにお泊まりですか?」と聞かれ、名もない木賃宿と答えるわけにはいかない。言うまでもなく、相手は宿泊先で知事を値踏みしている。

 

少なくとも川勝知事の旅費の記事については、私はマスコミのやり過ぎだと思っている。仕事で海外を飛び回っているビジネスパーソンを除けば、海外のホテル事情や相場が分かっている人はそれほど多くない。それをよいことに、単に規定の3倍と騒ぐのは止めた方がよい。そもそも規定そのものが実態に合っていないのだから。

 

 

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