一気呵成、安倍内閣 (2017.11.3)
圧倒的に勝利した衆議院選挙であった。安倍首相も、これほどの結果になるとは恐らく思ってなかったのではないか。
いずれにせよ安倍首相、この結果により自民党内で圧倒的な信任を得たことになる。この後は一気呵成に事を進めたいのだろう。
第4次安倍内閣発足早速、自民党は野党側に厳しい要求を突きつけた。これまで野党に偏重していた国会での質問時間を見直すべきだと言い出した。
その理由として、若手議員から国会でもっと活躍の場が欲しいという要望が出たからだと説明する。しかし、この説明にはどうも裏がある。要は、若手議員が地元の支持者に対して目に見えてアピールできるような場、つまり国会質問の場を設けて欲しいと要求したことにあるといわれる。加えて、自民党としても国会質問で野党に粘られてはたまらないので、口封じできれば一石二鳥という本音もあるのだろう。
そんなわけで、この見直しの背景には何やらいかがわしさが漂う。そもそも、現状の時間配分は民主党政権下で野党の立場であった自民党が「与党20%:野党80%」を要求して決まったという経緯を考えれば、そうとう身勝手な話である。
建前論から言っても、与党は法案提出段階で十分に党内の意見調整を行っており、国会の場で法案を審議するのであれば、法案の内容を初めて知る野党に多くの質問時間を与えるというのは道理である。議会の多数派が内閣を作り、政権の座に着くという議院内閣制度の仕組みを前提とすれば、これまた当然のことである。
さて、もう一つの動きは例の加計学園問題である。昨日、文科省の大学設置審専門委員会で加計学園の獣医学部の開校をおおむね了承したと報道された。この専門委員会、この8月に一度判断を保留・先送りしている。その時巷では、衆議院選の結果が出るまで様子見を決め込んだと言われていた。
兎にも角にも専門委員会が文科相に正式に認可を答申すれば、安倍首相にとっては有り難い追い風になる。なにせ、野党には未だ森友・加計問題は終わっていない、国会で追及するぞという声も強いのだから。
勝てば官軍。当面、安倍内閣にとって怖いものなしの我が世の春が続く。