女性の働きやすさ (2024/3/11)

 

 

今月6日、エコノミスト誌は「The Economist’s glass-ceiling index」と題した記事を掲載した。これは日本のニュースでも「女性の働きやすさ」という見出しで取りあげられたので、知る人も多かろう。

 

その内容は、国際女性の日1/に先だってOECD29の加盟国について、労働参加や給与から政治家まで10の指標を使って各国を評価した結果である。エコノミスト誌の言葉をそのまま引用すれば、上位4カ国はいつもと同じ北欧諸国のアイスランド、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、下位はこれまたお馴染みの日本、韓国、トルコである。

 

さて、ここでジェンダーギャプを持ち出す以前に、日本の経済の現状という点でこの結果を真剣に考えた方がよいと、私は思っている。日本の失われた30年、つまり経済が停滞した理由として、世の中では政治が悪いからこうなったのだと言う声をよく耳にするが、一番の原因は日本の生産性がほとんど伸びなかったことにある。経済成長の指標となる国民総生産(GDP)とは、生産部門が生み出した付加価値の総和である。生産性が上がらなければ付加価値は増えない。

 

 

そこには日本の雇用制度の硬直性(年功序列と終身雇用)、ICT2/での世界からの遅れがあり、さらには人口減少と老齢化が加わる。年寄りには申し訳ないが、定年制を延長しても、老人の生産性が低いのは現実である。

 

 

ますます老齢化が進み、人口が減るなかで経済を発展させようというのであれば、女性の能力を有効に使うしかない。女性の社会進出と出生率の関係については、日本では言い訳やできない理由があちこちで見られる。例えば、女性の社会進出が進めば子供を産まなくなる(だから専業主婦が望ましい)、生活が豊かになれば子供を持たなくなる、といった意見はその典型だろう。お生憎様、それは日本的な偏見に過ぎない。

 

先ほどの「女性の働きやすさ」の上位4カ国と下位3カ国を比較すれば一目瞭然。上位4カ国は出生率も付加価値生産性の両方ともに日本を凌駕する。上位の北欧4カ国では、女性は社会進出し、子供も産み、そして国の富みも増やしている。

 

日本が人口減少問題を解決し、経済を豊かにしたいならば、女性が社会で活躍できる方策を考えるべきである。「出来ない」、あるいは「やらない」言い訳を並べていれば、この国はやがて消えていくことになる。

 

 

 

 

 

 

 

            1/         International Women’s Day

            2/         Information and Communication Technology

 

 

 

 

 

 

説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: door「ホームページ」に戻る。