世界イノベーション指数(GII1/2024 (2024/10/7)

 

 

世界知的所有権機関(WIPO2/)は毎年GIIを発表し、世界各国のイノベーション(革新性)を順位付けしている。

 

各国の順位は1人あたりGDP(購買力平価換算)で評価する。その評価には様々なデータを使う。根拠となるデータは、例えば科学文献の発表数、研究開発投資、特許出願数、技術進歩(コンピューターの計算速度、ムーアの法則、スーパーコンピューターなど)から社会経済的な影響(労働生産性、貧困、寿命、温暖化など)まで幅広い。

 

日本の順位は過去10年間、10位以内に入ったことはなく、今年は13位である。アジアでいえばシンガポールの4位、韓国の5位、中国の11位の後塵を拝する。この調査が始まった2007年には日本は7位であったが、その後ずるずると落ちていった。ここ数年でいえば十数位を動いている。

 

日本が今ひとつ上位に行けないのはなぜだろう。自動車や機械に代表される古い産業は強い半面、ICT3/ではハードとソフトのどちらの分野でも世界に伍する産業が育っていない。このICTにおける企業投資データの上位グループに日本企業の名前はない。圧倒的に強いのはアメリカである。

 

科学文献でも既によく知られるように日本の地位は落ち続けている。これは文部科学省が発表した「科学技術指標2024」に明らかなように、今年は世界13位であった。これは1位の中国には遙かに及ばないばかりか、4位のインド、9位の韓国、12位のイランにも劣る。

 

今の日本、内向き、下向きなムードが支配的になっており、安い日本になったのは賃金が上がらないからだ、税金が高いからだと愚痴が目立つ。

 

高い賃金を得ようとするならば、付加価値の高いものやサービスを提供するしかない。日本では税金が高いと嘆いているが、GII2位のスウェーデンの付加価値税は25%4/である。

 

日本が抱える問題の本質は、生産性を上げるために不可欠な革新で後れを取っているからだ。革新を怠れば、世界の競争から落伍し、自ずと生活水準は下がる。

 

 

 

 

1/     Global Innovation Index

2/     World Intellectual Property Organization 国連の一機関

3/     Information and Communication Technology

4/     軽減税率が適用されるので、ものやサービスによって25%10%6%に分かれる。

 

 

 

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