今年の世界経済見通し (2024/1/16)

 

 

先週、世界銀行が世界経済見通し(改訂版)を出した。3年連続して世界経済は減速し、2024年のDGP成長見通しは2.4%と、昨年の見通し2.6%を下方修正する内容である。

 

2022年と昨年2023年と世界経済は落ち込みを続け、今年2024年の見通しも決して明るくない。政治と経済を巡る環境を見渡せば、様々なリスクが存在する。昨年秋以降の中東紛争、2年にわたって続くロシアによるウクライナ戦争は世界政治にとって大きな不安定要因であり、急速に進んだインフレとそれに伴う金融引き締め、そして世界貿易の停滞は経済の停滞要因である。

 

加えて、期待ほど回復しない中国経済は、世界経済の落ち込みにさらに影響を与える。ちなみに中国の2023年の経済成長率について、世銀は5.2%と推定した。中国政府は経済成長率を対前年比5%前後としていたので、実績は政府の目標を上回ることになるだろう。しかし、世銀は2024年と2025年は5%を下回ると予測している。

 

先進国の中で米国の経済成長は、ユーロ圏と日本に比べ順調で、2023年(推定)が2.5%2024年と2025年(いずれも予測)が1.6%1.7%の成長と見込まれる。

 

一方ユーロ圏は、ロシアによるウクライナ戦争が強く影響し、2023年の成長率は推定0.4%にとどまったが、2024年と2025年は回復基調にあり、それぞれ0.7%1.7%の成長を達成するとみられる。

 

さて、日本はどうだろうか。2023年は昨年の予測から1.0%ポイント高い1.8%(推定)の成長であり、さほど悪くはない。しかし、2024年と2025年も0.2%ポイント上方修正され、それぞれ0.9%0.8%成長と予測するものの、1%の成長率を越えることはない。

 

こうしてみると、日本の低成長は構造的な問題に起因すると言わざるを得ない。日本経済の停滞は、生産性の低さと世界の変化に追いつけない産業構造の革新に行き着くのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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