オリンピックとコロナ感染者の急増 (2021/8/5)
オリンピックが始まると同時に、コロナ感染者数が急増した。今日の都内の感染者数は5042名、初めて5000名を越えた。
政府は東京都に対して7月12日から4度目の緊急事態宣言を発出したものの、その効果は出ていない。7月31日と8月1日の週末の人出に顕著な減少は見られず、逆に五輪の競技会場周辺では前週比で3割以上増えているところがあった。【読売新聞8月2日】
それもそうだろう。4度目の緊急事態宣言となれば、もはや緊張感はない。おまけに、緊急事態と言いつつ、その横でオリンピックのお祭り騒ぎをしているのだから、人出が抑えられないのも宜なるかなという話である。そもそも、オリンピックが開催されれば感染者数が増えることは当初から予想されていた。
世論調査で開催に反対する意見が多くを占めていたにも係わらず、オリンピックの開催を押し切ったのは菅総理であり、誘致した東京都の小池知事である。
感染が急拡大するなか、7月30日に開いた記者会見で、菅総理はオリンピックが増加の原因にはなっていないと思うと発言し、因果関係を否定した。
大会組織委員会の武藤事務総長も翌日開いた記者会見で、国を代表する菅総理と主催者を代表する小池知事が因果関係はないと言っているので、その考え方に同調すると発言した。国際オリンピック委員会(IOC)のクリストフ・デュビ五輪統括部長も、見解は同じと述べた。【朝日新聞8月1日】
要は、菅首相、小池知事、大会組織委員会、IOCの全てが口を拭ってしらを切ったわけである。
しかし、そんなことで世間を誤魔化せると思ったら大間違い。8月4日に開かれた衆院厚生労働委員会の閉会中審査の中で、立憲民主党の長妻氏の問いに対して、尾身・政府対策分科会会長は、「オリンピックをやるということが人々の意識に与えた影響はあるんではないか、というのは我々専門家の考えだ」と答えた。
いくら政府が否定しても、感染者数のデータを誤魔化すことはできない。統計が全てを物語る(下図参照)。