自民会合、「大阪万博に超法規的措置を」 (2023/11/11)

 

 

昨晩の新聞(ウェブ版)にこんな記事が出ていた。『万博工事「超法規的措置を」 自民会合で発言、残業規制の除外求める』*1

 

記事によれば、自民党の大阪・関西万博推進本部の会合で万博パビリオンの建設を時間外労働の上限規制の対象外とすることを求める意見が出たという。すでに報道されているように、大阪万博にパビリオンを作ろうという国が現れず、工程的に開幕までに設備を建設することが難しくなっている。

 

2025413日の開幕まで僅か1年半しか残されていないというのに、現時点で着工手続き取っているのは、韓国とチェコ、モナコの3カ国にすぎない。日経新聞のアンケートによれば、自前のパビリオンの建設を計画する国は60カ国あるが、具体的な着工時期を回答したのは5カ国しかない*2

 

この場に及んで自民党の議員が言い出したことは、もはや非常事態なので建設を間に合わせるため、労働基準法で定められる残業時間の規制を取っ払って突貫工事をやれというものである。労基法を除外するためには、この際、「災害だと思えば良い」のだそうだ。

 

そもそもこの大阪万博、あまりにも問題が多すぎる。まずは建設費。誘致時点での予算は1250億円、それがやがて1850億円、そして今や450億円積み増して2300億円規模になるという*31000億円のコストオーバーランであり、まさに「小さく産んで大きく育てる」公共事業の典型である。

 

こんなグズグズの計画を無理矢理推し進めるため、立法府の議員(自民党)が自分達で改正した法律を無視しようと言い出した。お国の一大事、国民一丸となり、歯を食いしばってこの苦難を乗り越えよう。まさに戦時下、挙国一致政府の乗りである。

 

大阪住民はどう考えているかは知らないが、それ以外の地域の人達に万博への関心がさほどあるとは思えない。私は、東京から新幹線に乗って大阪まで行き、大枚7500円也の入場料を払って見に行くほどの価値があるとは思っていない。そんな暇と金があるならば、東京ディズニーランドに行った方がよほど楽しかろう。

 

さて冒頭の「自民党の大阪・関西万博推進本部の会合」、本部長が二階俊博元幹事長、推進本部事務局長は松川るい参院議員という。さもありなん。

 

皆さん、選挙には絶対出かけましょう。

 

 

*1         朝日新聞(2023/10/10 22:18

*2         日本経済新聞(2023/8/31 19:2

*3         読売新聞(2023/09/23 20:27

 

 

 

説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: door「ホームページ」に戻る。