ギリシャの財政破綻は対岸の火事ではない (2015/7/9)

 

 

ギリシャは44兆円に及ぶ負債を返済することができないまま、金庫に残っている現金はほとんど枯渇しつつある。そしてEUに対する交渉カードとして国民投票を行い、その結果、国民は緊縮財政の継続を否定することを選んだ。EUとの折り合いが付かないまま、ギリシャがユーロ離脱に追い込まれることになれば、国の経済は完全に崩壊するという話も現実味を帯びつつある。

 

そんなギリシャ問題を、多くの日本人は他人事のように見ているが、財政悪化ならば、どう見ても日本の方が深刻な状況にある。

 

ギリシャの一般政府債務(国・地方・社会保障基金)残高の対GDP比は2014年で177%と高い数字になっているが、日本のそれは246%に達しており、もっと酷い。日本の場合、その債権者が国内にとどまっているので、政府はコントロール可能と言っているが、それはギリシャと違い国民の金で用立てた借金だから、最後は何とでもできると言っているにすぎない。決して、本質的に問題が解決できているわけではない。

 

ギリシャの場合は観光以外の国内産業が弱く、付加価値生産が低いので、EUの三大国に比べて所得水準が低い。その結果、国内の貯蓄で政府の借金を賄うことができず、他のEU諸国に資金を依存した。日本は確かに国内の貯蓄が多くあり、その規模は政府の借金額に相当する。ゆえに、政府も外国からの資金に依存せずに借金を積みますことができたが、それはこれまでの話である。

 

かつて、日本は英国を老大国と呼んだが1人あたりGDPで今やその地位は逆転している。下のグラフを見れば一目瞭然、日本の借金は分不相応に膨れあがってしまった。労働人口は減少し、本当に老齢化している。冗談ではなく、本当の老人国になりつつある。1人あたりGDPと政府負債の額を比べると分かりやすい。G5の中で最も付加価値生産が低い半面、断トツに借金をしょっている。

 

しかも、産業構造の革新ができていない。脱製造業の次を担う新規産業が興っていない。トヨタだけは元気であるが、自動車産業はもはや次世代を支える産業ではない。一方、米国は新しい産業を次々と興している。製造業は衰退したが、それに代わる強力な産業はやはりアメリカで生まれている。グーグル、フェースブック、アップルの名をあげるまでもなく、ICT産業で米国に比肩する国はない。エネルギーや金融分野は言うに及ばず、製薬、航空産業など、高付加価値産業でも、米国は圧倒的な存在感がある。

 

そんなことを考えていると、日本の将来は冗談抜きに深刻である。

 

 

 

 

 

 

 

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