コロナワクチン接種
(2021/7/15)
ワクチン接種の打ち手の体制が整い、政府のかけ声どおり「1日100万回接種」を越える1日あたり130万人のペースに届いたと思いきや、ワクチン供給量が足りなくなった。ワクチン不足に陥った地方自治体は、急遽、新規受付や予約キャンセルに追い込まれた。
これだけの数のワクチンを全国津々浦々にまで供給するのだから、自治体毎に需給バランスを取りながらロジスティックスを動かすことが至難の業であることは分かる。新聞情報によれば、需給バランスの判断に狂いが出た原因は、現場で実際に接種した人の数と、政府が一元管理する接種記録システム(VRS)上に表れる数字の間に時間遅れが出たことによるものと言う。
VRSへの入力が煩雑で、現場がシステム上に実態を反映させるのに時間が掛かった。現場はどんどん接種を進めるが、その一方、システムを見ている霞が関の役人は、データ上は接種が未だ進んでおらず、既に送ったワクチンは自治体に在庫のまま溜まっているだろうと判断した、と言うのがその説明である。
要は、情報システムが実態を把握しておらず(敢えて言えば、システム構築がお粗末で)、ワクチンの流通、在庫管理が出来ていなかった。
さて話が変わるが、私も今日で二度目のワクチン接種を終了した。私が感じた接種会場の印象は、唯々人海戦術であった。会場に詰める看護師さんの数は恐ろしく多いが、半面、情報のデジタル化は全く遅れている。全てが紙ベースで進められ、接種を受ける人の確認は紙の台帳、受付が名前の欄に定規を当てながらペンでチェックしている。前もって記入して持参した健康状態に関する質問票も、受付の後ろの方で係員がタブレットを片手に何やら作業している。おそらく、データを転記入力しているのだろう。
接種を受ける人の確認くらいPCに直接入力してVRSに繋げれば良かろうに、また質問票の入力もフォームが決まっているのだから持参した用紙をリーダーで読み込めば良かろうに、と思うのは私だけではあるまい。
昨年のコロナ給付金の支給に際しても、自治体レベルでは受給者の確認とデータの入力の手間に時間がかかり、それが大混乱に繋がるという騒ぎがあった。
役所仕事のデジタル化は本当に遅れている。これではお隣の韓国や中国に差を付けられてしまうのも宜なるかな、と言う思いである。その差も、恐らく圧倒的な差というのが今の状況だろう。