消費増税と社会保障制度改革基本法案の三党合意 (2012/6/16)

 

 

民主、自民、公明三党の実務者間で行われていた消費増税と社会保障制度改革基本法案の修正が合意に至り、消費増税法案はほぼ成立する見込みとなった。

 

増税の前にやることがあるだろうという反対意見も強いし、消費税を10%に上げたところで、これで財政問題が抜本的に解決できるわけでもない。しかし、歴代の首相が優柔不断に先送りし続けたこの問題に、野田首相が本気で正面から手をつけたという点で、私は彼を評価する。法案が通過した後、遅くない時点で解散総選挙になる。そして、民主党は確実にぼろ負けするだろう。それを承知の上で、ここまで消費税に拘ってきた野田さんは、政治家としての信念を持っている、と私は感じている。

 

今、党内にあふれる反対意見を取り込んでしまえば、たとえ政権がいずれの党に移ったとしても、再び消費税問題に手をつけることは相当難しいだろう。何もしないで、ただただ現実味のない政治論争を繰り返し、問題をさらに10年、20年と先送りすれば、次に何が起きるか、今のヨーロッパの状況を見れば想像に難くない。いくら国内資金だけで国債を吸収できるとはいえ、国の借金がGDP2倍に及び、さらに一般会計の半分以上を国債の発行で賄うという今の状況は、あまりにも異常である。

 

EU各国の付加価値税がおおむね20%ほどであることを見ればわかるように、それ相当の社会保障を受けたければ、税負担にもそれなりの覚悟がいる、ということに尽きる。今の日本は、国民が政治に無関心と言われて久しいが、私は、国民が本気で税金の痛みを感じていないので、政治に無関心になっているのだと思っている。本当に痛税と感じるようになれば、政府の金の使い方、政治の動きに、真剣に目を向けざるを得なくなる。それが民主主義社会というものである。

 

 

 

 

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