葉山のシチリア料理店（2012/4/23）
湘南には、イタリア料理のおいしい店が多い。私が住んでいる逗子にも五指に余るくらい、ウェブでの評価が高い店があり、私には嬉しい限りである。その多くは、個人経営のこじんまりした店で、値段もほどほどで楽しめる。
昨年末、たまたま葉山で見つけたイタ飯屋もその一つであり、店の名を「ピスカリア」という。間口はそれほど大きくない小屋建て風の建物であるが、中は小ざっぱりとした作りである。入口のすぐ脇に開放された厨房があり、そこに並べられた今日の魚を見て料理を頼む。魚は近くの佐島漁港で揚がった獲物であり、日によって品が変わる。湘南ならではの贅沢である。
先週は、お客様をお連れして、久しぶりにここを訪れた。前回と同じように、前菜の盛り合わせをあれこれと頼み、パスタを二種類、そしてイトヨリを水煮で料理してもらった。この水煮は前回も頼んだことがあったと記憶するが、基本的には魚のうま味だけで味付けされており、私の口には合う。店の方に料理法を伺ったところ、フライパンで魚がひたひたになる程度に水を加えて加熱するとのことである。オリーブ油と塩を使うだけで、特に秘密の香辛料があるわけではない。なにやら、私のような素人でも作れそうな気になってしまう。一度試すだけの価値はありそうである。
週末の土曜日であり、開店一時間もすると満席となってしまったが、お客の顔ぶれはご近所の常連さんのようである。東京であれば、名の通った店は数多くあろうが、そこそこの値段で新鮮かつ美味しいイタ飯を提供するところがどの程度あるのだろうか。しかも、普段着で行ける気軽さがありがたい。まさに湘南ならではの楽しみである。
