中国のアフリカ支援——一帯一路 (2024/9/9)

 

 

中国がアフリカ支援にコミットすることを公式に示したのは2000年に北京で開催した中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC1/)であった。この95日、パンデミック以降初めて、多くのアフリカの首脳を北京に招いてこのFOCAを盛大に開催した。

 

アフリカ各国からの出席者の多さとは裏腹に、会議がそれほど盛り上がったというわけではなかった。例えば、エチオピア、ジンバブエ、そしてケニアは、インフラ建設のために借りた融資の返済に困難を抱えている。これは、スリランカが中国から借金したのは良いがその返済に困り、借金の形にハンバントタ港を99年にわたって中国企業に租借地として渡した「債務の罠」を思い起こさせる。

 

左図に示したボストン大学世界開発政策センター2/のデータを見れば分かるように、中国はグローバルサウスのリーダーとしてアフリカを積極的に支援してきたが、実態は2016年をピークにそれ以降急速に融資額は減っている。そんな中、今年のFOCAで習近平は向こう3年間で500億ドル($1=¥150として75000億円)の資金援助を行うと約束した。と言っても、この金額は2021年よりも多いが、それ以前を超える規模ではない。

 

中国の資金援助も大きく形を変えている。かつての政府間の資金提供から、政府の傘下にある中国輸出入銀行や中国開発銀行を通した民間ベースの融資が多くなっている。つまり見かけ上、政府の借金ではなく、プロジェクト運営会社の借金になっている。しかし事業が破綻すれば、最終的には多かれ少なかれ国の税金で穴埋めすることは免れないだろう。

 

一方、アフリカは中国の資金を使ってインフラを整備して、資源や加工品を輸出しようと狙うが、実態はそのとおりにはなっていない。中国は2021年の会議でアフリカから3000億ドル($1=¥150として45兆円)相当の輸入を行うと言ったが、それは達成されていない。中国の国際貿易の中でアフリカが占める割合は5%に満たない。

 

結論を言えば、現在の中国とアフリカの関係は、一帯一路構想の一環としてアフリカのインフラ整備に巨額の資金を提供した2000年代や2010年代ほど熱狂的なものではなくなっている。それでも経済的には、中国がアフリカを必要とする以上に、アフリカは資金源としての中国を必要とする。

 

 

1/     Forum on China-Africa Cooperation (FOCAC)

2/     Boston University Global Development Policy Center

 

 

 

説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: door「ホームページ」に戻る。