ロシアによるウクライナ侵略戦争の変化 (2022/9/12)
昨日、ウクライナ軍がハルキウ州の要所を奪還し、ロシア軍は重要拠点としてきた都市イジューム周辺から部隊を撤退させることを決定したという報道があった。
これはウクライナ軍が東部で反転攻勢に入る動きの現れであるが、だからと言ってロシアが占領した地域の全面奪還に繋がるわけではない。
しかし、この地でロアシア軍がパックに陥り、撤退したことは、プーチン大統領にとっては非常にばつの悪い結果である。それは同時に中国の習近平国家主席にとっても同じである。これまで中国はロシアを擁護する立場を取ってきたが、これ以上プーチンと繋がることが中国の利益になるかどうか、大いに疑問である。
今週後半の15日と16日にウズキスタンのサマルカンドで上海協力機構の首脳会議が開かれる。これは中国にとって、その覇権を示す恰好の場である。プーチンと習近平はそこで顔を合わせることになる。恐らくプーチンは習近平に戦争の支援を求めるであろうが、習近平はどのような返事をするのだろう。
ウクライナ戦争は政治的、経済的にはロシアの敗北になるだろう。東部のロシア語圏とクリミア半島はそのまま占領し続けるであろうが、ロシアにその経済的コストを負担し続ける力がどの程度あるのだろうか。
ロシアとしては、是非とも中国の支援は手にしたいが、それは中国の圧倒的な経済力に跪くことである。何せ、中国のGDPは日本の3倍を越え、一方ロシアは日本の1/3に過ぎない。プーチンのプライドとしては心穏やかではなかろう。